仕事の流儀。

と、某おっさん御用達言葉を使ってみる。

社畜・バリキャリなどと呼べば猛烈に怒るが本物の「しご・でき」の上の娘の話で

最近の企業はどこでも年に2回ほど「評価」があって

どの方面においても完璧な仕事をするうちの娘はパーフェクトな評価で

常に給与を上げて行っているものの、時々入る指摘が

「愛想が良くない」「怖い」「もっとにこにこしてほしい」などの、

およそ仕事とは関係のない「要望」が出るらしく、困惑させられている。

娘曰く「愛想なんて関係のない仕事をしているのにこんな要望を出すって、

まあ、どこの誰が言ってるかはわかっているんだけど」と

直属の上司や関係する部門の責任者からは特にそんな要望はないらしい。

母親の私も「ニコニコしながら仕事を「できません」「やりません」と断られるのと、

不愛想でもできるときはちゃんとやるのとどっちがいいんだろうね」

と考えているものの、60代も半ばすぎたマイダーリンは

「あの子は確かに怖い顔をしている、もっとにこにこしたほうが良いんじゃ、、」

などとぼやけたことを言い出して、

「あの仏頂面でもできる!から仕事が集中するのに、愛想までよくして

頼みやすくしてたら体を壊すでしょう!」とアテクシに言い返され黙っている。

同じ企業戦士の下の娘も

「愛想よくしてたらなめてかかってくる連中が山ほどいるし、

そもそも、なんで男は「愛想よくしろ」なんて営業職以外では言われないのに、

私みたいな技術職者にまでそれを言うか、

にこにこしてたらとたん馬鹿にしてくるのが男って生き物なのに!」と憤慨している。

「愛想は有料」というのが我が家の女三人の変わらざる信条で、

「愛想を売る」の話を某ママ友会で話したところ、

やはり仕事が完璧な女性にだけ「愛想がない」の評価が下るものらしい。

「表情も動かす暇がないくらい集中して仕事してるのにね」と

まじめな仕事のできる娘を持つママ友たちでぼやいて、

結局、なぜ「愛想」を他人がぬけぬけと求めてくるのか、

そのなぞまで解き明かそうとしたものの、そこまではいかず、

社会はまだまだ女性に厳しい世界であることよ、

表情筋を動かすのもしんどいほど仕事してるのに、それを言うお前らは何だ、と

しみじみしているのでした。

「愛想よくしてたらなんでも頼んでくるような舐めた真似した人間がいるからね、

こういう不愛想も仕事のやり方の一部だとわかる人にはわかると思う、

断られて当たり前、そもそも持ってくるのが間違ってる、みたいなものを

押し付けようとする人間ほど、「愛想がぁ~」っていうの、不愛想も仕事の流儀」

みたいなことで開き直っているうちの娘はえらい、と

やはりにこにこしていると舐められがちな人間である母親のアテクシは思うのでした。

もう1回書いておくが「愛想は有料」これをもっと世間に普及したい。おわり。