朝ドラ感想「寅に翼」

以前から好きな伊藤沙莉さん主演の朝ドラ「寅に翼」を毎日楽しみにみている。

こんなに楽しみなのはのん主演の「あまちゃん」以来かも。

物語がおもしろいのはもちろん、演出、小道具、その他もろもろが素晴らしい。

特に近年NHKドラマで私が注目しているのはお着物で

毎回時代に合った柄や着付け、などなどをじっくり眺めている。

今回の「寅に翼」などはメインキャラクターにあったそれぞれのお着物など

眼福もの、主人公で東京の「中流の上」くらいのお嬢様である沙莉さんの

普段のお着物の愛らしさは何とも言い難く魅力的だ。

大学同期の弁護士夫人である平岩紙さんの抑えた色目にぞろりとした着こなしや

男爵令嬢のあでやかな友禅模様を羽織も併せて美しく見せる、

ちなみにこの方は半襟も総刺繍でお見事、柄と柄を合わせる妙味につきている。

「昭和レトロ」の現代風再現力を見よ!って感じ。

主人公が暮らす書生を置く家は畳敷きであってもテーブルセットが置かれ、

マイセン風の陶器人形の置物などは主人公一家の海外駐在経験を思わせる。

また昭和の台所の再現力にも驚かされる。

タイル張りの水場など、ある程度の年齢の日本人には懐かしいのではないか。

私が何より注目するのがたまに出る「食事」風景で、

主人公の兄嫁の両親と顔合わせをした時のメニューは和洋合わせて面白い。

尾頭付きの刺身盛り合わせになぜかビーフシチューがあったりして、

主人公母が洋風料理もたしなんでいる実は才媛であるのをにおわせる。

ドラマのモデルになった女性は銀行員だった父親の赴任地、

シンガポールで生まれているので母親は欧風料理を学んでいるのだろう、

ビーフシチュー」ではなくロシアの「ビーフストロガノフ」かも。

主人公・母である石田ゆり子様の存在感は圧倒的で

第1週目で「どうしてもお嫁に行ってもらいます!」と頑張られた時の

恐ろしさはもうガクブル、こんなに美しく聡明な母にこうも反対されたら

全て諦めて粛々と嫁に行ってしまうのではないかの迫力でハラハラした。

しかし最後の大転回で思わず

「俺たちのゆり子様は裏切らないぜ!」、おおー!と盛り上がってしまった。

初めから娘に甘い、何を考えているかよくわからない父親と対照的に

明確で現実的な母親の態度は大いに娘に影響を与える、

こうも見事な母親を私はやってこれたかな、と考えてしまった。

人生の指針をはっきりと示すことは戦後昭和生まれの私には出来なかったな。

親子の在り方までも学べる(かも)の朝ドラの今後を楽しみにしている。

マイダーリンは今までのすべてを録画しているので

じっくり食事風景だけでもそのうち見返す予定。

ちなみに語りが尾野真千子さん、

伊藤さんの個性を引き立てるいい感じの「ちゃちゃ」になっている。

今期の大絶賛おすすめドラマ。感想は、また書く予定。終わり。