台湾・台北・故宮雑記。

台湾・故宮はお宝の山であったが、「日本人観光客を誘導して〇十年」の

ベテランガイドおじさんが爆速でその全貌を説明してくれたので

もっと時間をかけてゆっくり見たかったかも、、と後悔。

多分、一日かけてもめぐり切れないほどのお宝が

しょぼい昭和風リノリウム床の、これまたしょぼいガラスケースに収められている。

「大きな外側にはこだわるけど、小さな外側にはこだわりません」なのは

中華の思想か、天井の低い、予算がつかなくてバブルも平成もジャンプしたような

昭和の遺物的内装はお宝を引き立てているんだか、なんだか。

日本じゃそういう建物はどんどん壊されたり下げ渡されてリニューアルされているので

ある意味、古典的価値があるのかも。

それはともかく、ガイドのベテランおじさんは

(50代半ばのアテクシがおじさん呼ばわりなのは確実に70過ぎているから)

故宮内の見事な所蔵物を説明するのにやたら引き合いに大英博物館を出してきて

「景徳鎮もあれもこれも、全部英国博物館が持っている!もって行った!」と

中国人にとってアヘン戦争はまだ終わってなかったか、を思わせる。

まあ、英国はどこの国に行ってもろくでもないことしかしてないしな、

そもそも今のイスラエルの動乱も火種をまいたのは英国、

インド・パキスタンも、そう、中国が許さないのは当たり前の感覚。

翻って、何かといえば「BBCがぁ!」と言いたがる日本ネット民たちよ、、、

まあ、そんな連中の手を借りないと大性犯罪を醜聞化できない国だしな。

故宮のお宝で一番私が感動したのは「象形文字」の成り立ちの

青銅器がほぼ完全な形で残っていること。これには本当に驚かされた。

銅か何かの配合によって完全な形で残るかどうかも決まるらしく、

緑青がかかるのも、これは銅の配合が多かったら、とか。

それにしても、「文字」の形がほぼ「もの」の形と同じだったとは、

そしてその「もの」が残っているとは、素晴らしい。

蒋介石、よく頑張って持って行った、多分、中国本土に残されたら

文革で壊されたか流出してまとまって中国にはなかっただろう、

「文字の形」を表す酒器などが残っているのには畏敬の念を抱いた。

人類の進化の第一歩だものね、ネット空間ができたよりもすごい文明開化。

故宮のお宝はそれにとどまらず焼き物の歴史や中国の長い歴史の中で

「書」がどれくらい重要であったか、モンゴルとの長いつながり、などなど、

数千年にわたって常に小競り合いながら融和したり破綻したり、

ガイドのおじさんは爆速ではあったがちゃんと説明してくれてよかった。

個人で回るには相当な知識が必要。

「白菜に虫」は有名だけど、文化的には「お遊び」の域を出てないかも。

でもその「お遊び」にも全精力を傾けているのがすごい。

そういえば、日本の蒔絵にも虫は出てくるので虫を愛でる文化は中国由来か。

べたべたに虫を描きまくった磁器の壺もあって気持ち悪いが

似たものをヘレンドで見たことがあるのでどちらがコピーか、

中国をまねたんでしょうかね、、、

台湾は今回初めてで、台北中心にしか回っていないので、

全体のことはわからないものの、国際都市でありながらのんびりとした、

山ほどコンビニがあるのは治安の良さを証明しているような、

中国に返還間際の香港に滞在した時はすでに殺伐とした雰囲気があったものの、

少なくとも台北はどこか日本の地方都市を思わせる明るさと暗さを併せ持つ、

独自の良き国だと思ったのでした。

のんびりした顔の学生も多くてこのままの状態でいられるとよいな。

久々の海外旅行だったので日本語がかなり通じてよかった。

ちなみに自信満々で語られる現地人の英語は人によってかなり「アレ」であった。

食べ物はどれを食べても私にはうまうま。

でもマイダーリンは、台湾人が好むらしい「八角」のにおいがだめでうなっていた。

「マツコ」に出ていた屋台の「腸詰をもち米腸詰ではさんだもの」も食べて

癖になる味だった。あと牛肉麺もうまかった。

リンゴとなしを掛け合わせたような名前のわからないフルーツがよく出て

何かと思えば「グアバ」のなまであった。甘くないが独特の風味があって良き。

お茶はどこで飲んでもおいしかった。今回の旅行記はこれまでで。終わり。