昭和の兄弟。

連休前に1周忌のご挨拶に行ってその奥様に聞いたことなど。

70代半ばで亡くなられた方の奥様はまだ70歳手前、

子供は二人とも独立して別のところにいるので奥様は一人暮らしをされて

この度1周忌でそろそろお骨を墓に収めることについてお子様と相談したところ、

永代供養にしないかと言われ、菩提寺に相談するとお骨はお墓に収めるのが筋、と

しかしその墓がとんでもないド田舎の山奥(失礼)、

お子様たちはこの先、そんなところにはいきたくないし、面倒も見切れない、

そして菩提寺のある所にはなくなられた方のご実家がまだあり、

これはご長男であったその方のご両親が亡くなられた時に他の兄弟に金を払って

自分名義にしたもので、亡くなるまで面倒を見ていたものの、

その面倒も子供世代はみきれない。

今回、買い手があるとのことで手放したい、と子供たちは言っているんだが

その家の権利を手放した亡くなった方のご兄弟が、家は売らずに残してほしい、

墓参りの時にとまるところが欲しい、など、

奥様は、1年前にご主人がなくなられたばかりの時はそのご兄弟が

「家の面倒は見る」と言ったにもかかわらず、現在はやはり家の面倒は見れないが

家自体は手放さずに置いてほしい、などと、

「何にもする気がないのに、なんで口だけ出すの?」とは、家の始末をしてしまいたい

お子様世代の切実な言い分で、

ただ、奥様の話をよく聞いていると、「長男の嫁」としての責任を感じている、

家は残すべきか、と言って自分で面倒は見られない、遠方の子供たちも無理、

どうしよう、どうしよう、と愚痴を延々と聞き、

身もふたもないアテクシは「老いては子に従い」と思ったものの、

その子供の配偶者が「現金資産をはっきり教えてください」と言ってきたことに

相当カチンと来られたようで、親子関係も赤の他人の配偶者がらみになると難しい、

と、何年か後に身につまされるような気がして黙ったのであった。

しかし、昨年までは「貸してもらう以上家の面倒は任せてくれ」などと言った兄弟が

たった1年で「山奥の家の面倒は見られない、でもいつでも使えるようにしろ」なんて

よーまー言えたもんだ、と私は思うが、

これも多分「長男の嫁なら何とかするのが当たり前」の昭和の感覚で話している。

要するに「長男の子供がその下の面倒を永遠の見続けるべき」と

しかし子供世代は令和に生きるから、そんなことを言われても

母親に「そんなことを言う父親側の親戚とは縁を切ってもよい」とまで

はっきりしているので「昭和の兄弟感覚VS令和に生きる子供世代」は

どんな結論が出るのか、とりあえず、最近のアテクシは線香の銘柄に妙に詳しくなって

あちらこちらに線香を持って行きまくるのであった。

昭和の兄弟関係って、よいのか悪いのか、わからない部分があるな。おわり。