予約投稿・その4 教育雑記。

まだコロナが影も形もなかった頃、奥様方と集まって噂話に花を咲かせたところ、

私が親しく行き来する奥様方は親子ともども、大学受験には苦労して、

それなりの努力をしてそれなりの結果が得られたけれど

子供の努力よりむしろ親の「画策」が功を奏したタイプは

ほぼ全員、その親の「努力」が無に帰している、

つまりは大学受験がそうだったように

就活も親の力技で立派な企業にせっかく入ったのに3年もたずにみんなやめている。

必死にしがみついても最長2年で、

それぞれ「もっと良いところに転職できた!」だの「結婚するから!」だのと

「言い訳」だけは立派ではあるものの、

転職先もすぐ辞めたり、結婚も続いていなさそうだ。

彼らは見事なまでに全員「推薦」「AO」入試組で

その集団の親御さんとは私は直接の知り合いではないので

ほとんど交流がないのだけれど、薄ぼんやりとその動向は聞かされる。

私と親しい奥様のお子様と、

「お受験画策組」奥様のお子様の志望大学が最初同じで、

「画策組」のやり手奥様はお子様の志望大学の「推薦」枠に猛攻したけれど、

あまりにお子さんに成績が悪くて果たせず、

別の大学にやはり「推薦」で何とか入学をはたしたものの、

最初から推薦ではなく一般入試で元の志望大学に合格したお子さんを

画策・やり手奥様はいつまでも敵視して、

4年後、それぞれのお子様方の就職がきまったとき、

「ウチは○○に入社がきまってるけど、○○ちゃんは○○なのね、

結局、大企業に就職できるかで人生きまるし、

社会に出たら大学の名前や成績だけじゃダメなのよね」

と、勝ち誇ったように言われたそうだ。

「忘れもせん!」と、その場では穏やかにやり過ごしたものの

何故子供が見つけた就職先に文句を言われないといけない、絶対許さん!

と私の友達奥様は怒っていて、

親がありとあらゆるコネを使って何とか名のとおった会社につっこまれたその子と

自分ひとりで試行錯誤しながら就活をがんばった子供とでは

出来がそこでも違うんだけれど、社会人として丸5年たった今、

自慢の名の通った会社に就職したお子様は新卒先をあっさりやめて

転職先も辞めて、働いているかどうかも定かではない。

親の努力、台無しとしか言いようのない結果になって、

その親は最近、別の親の集まりにすら、顔を出さないらしい。

友達奥様のお子さんは順調にキャリア続行中。

「○○さん(=やり手奥様)は○○さん(=わたし)のお嬢さんの就職先も

しつこく聞いてきてたことがあって困ったわ、

本人に直接聞けって言っておいたけど、聞いてきた?」と言われ、

そんな機会は一度もなかった、顔を見れば会釈する程度でしかないのに、

さすがにそれを聞くほどの勇気はなかったらしい。

それはともかく、先日の集まりでは、ちょうど下の子の代が

社会人3年目に入ったところで、医療系、理系院卒は社会人1年目だが

もう既に新卒で入った会社をやめている同級生がいると、

それがやはり見事に「推薦」「AO」入試組で

やはり3年もたないんだね、上の子の時とおんなじだ、と涙したのでした。

親の画策組でもうまく行ってる場合もあるので、何が違うんだろうな。

少なくとも、画策しない組の親を馬鹿にしたり、

自分の立ち回りの上手さを周囲に吹聴しがちな親のお子様が

親の努力をことごとく台無しにしている感があるので、

お子様自体は遅ればせながら真っ当な成長を遂げているんじゃないか、

私は上の子のお受験が終わったときに、

子育て終了「ノーサイド!」のホイッスルが聞こえた気がしたが、

子供との縁が続くようにその周辺とのつながりも続いていく。

人生の戦いはまだ続行中かも。

故に下の子のお受験終了後にはホイッスルは聞こえなかったわ。

人間は成長する。おわり。