ネト・フリ ドキュメンタリー「ルーシー・ブラックマン事件」感想・つづき

数日忙しかったので放置していた続きを。でも忘れかけている。(涙)

それでも印象に残ったのがこの事件のかつての捜査員たちの言葉で、

おそらく巡査からのたたき上げの現在80前後に見える方が、

「昔は何をやってもとにかく怒られた、何をやればよいのかわからなくなった」と

事件とはあまり関係のないかつての警察の話をして、

この世代の方ならば上司は軍隊仕込み、軍人上がりが多かっただろう、

負けた国の軍関係者なんて、叱り飛ばすような権利なんてないと思うが、

私の子供時代に存在した教師もなぜかこの系統が結構いた。何を言っても怒る。

もともとの捜査方針では犯人につながる線は見えてこず、国際的な話になって

はじめて元の捜査資料を極秘で漁る、これもまた極めて日本的だと

「前の捜査にケチをつけてはいけない」とは、犯人逮捕よりも組織が大事、という

何とも言えない理由で有耶無耶になっているのは、まことに国でも跨がねば

解決されていない事件が山のようにあるんじゃないか感が漂って情けない。

その中で交番勤務の巡査が「あまり評判の良くないお店の女の子が何人か

客に薬を飲まされて何をされたかわからない、との訴えがあった」とのことで

この件からたどって犯人逮捕に行きつく。なんでも記録はしておくもんだ。

逮捕された犯人はいまだ自分は「冤罪である」と主張しているらしく、

ルーシーさんのご遺体発見も警察の必死の捜査でほぼ奇跡的な形で成され

しかし犯人が一言も自供しないと無罪になるとは、

なんとまあ、性犯罪に甘い国であることよ、現在無期懲役とは言えど、

70代で出所する確率はありそうで、おそらくまた同じことを繰り返すだろう、

今度は子供相手に、と私は思ったり。

70~80代の色ボケ爺の孫どころかひ孫世代の子供への性犯罪の多さを知ると

本当にぞっとする、それでなくても子供は狙われるんだけれども。

この織原という男は帰化人で名前を変えていたりして扱いが厄介で

裁判となった後も名誉棄損だ、冤罪だと、別の意味での「国際事件」となり、

裁判を起こしていたりする。

私がこの織原城二に驚くのは、和歌山県のトイレで盗撮を行って逮捕された後、

自分の顔写真を写されるのに徹底的に抵抗して写真がほとんど存在していないこと、

「えぇ、そんなこと、できるのかー!」と

「プライバシーの侵害!」との主張だろうが、盗撮などという、

徹底的に他人のプライバシーを侵害している犯人が、「自分は嫌」とは何事だよ!

と、おばはんは思ってしまうなあ、そもそも薬物強姦映像を山ほど残しまくって

他人のプライバシーを蹂躙している人間が自分の顔写真一つ残すことに抵抗するとは

それだけでも心情的に「〇刑でよかっただろ」と思ったり。

現在も「緒原城二 写真」で検索しても大昔の白黒写真しか出ない徹底ぶりには

どんな組織が動いているものやら、まことに複雑な背景が垣間見えてぞっとする。

この男は大阪出身であるにもかかわらず高校から慶応に進学して

ウィキによると高校時代から薬物強姦を繰り返していたらしく、

なるほど、ストレートで慶応にはいけない事情があったわけか、

それで駒澤大学だの海外留学(?)だのを挟んで、慶応行きか、

この大学ももうちょっと拝金主義を改めてはどうか、と思うけれど、

早稲田の「スーフリ」の大先輩みたいなものが20年以上前にいたとの事実に

性犯罪の早慶戦でもやっているのか、とため息が出る。

ドキュメンタリーの感想というよりはこの猟奇的性犯罪の印象が強く困る。

ドキュメンタリーはかつての警察で国際問題に発展しかねない(もうしたか)事件に

必死に対応した誠実な警察官たちの事件により負った心の傷がほのかに見えて悲しい。

かかわった捜査員の多くがその事件の醜悪さに多かれ少なかれ傷つき、

その上でより良い被害者保護、犯人捜しにかすかにでもつなげているのが救いだ。

胸糞な事件を知るきっかけになるドキュメンタリーで

事件に対応するとはどういうことか、が理解できるので星は4つ。

事件があまりに胸糞なので星は一つ減らす。

ちなみにこの加害者は被害者へのバッシングなども組織的に行っていたりして、

被害者遺族である事件を掘り出した父親に1億渡したとは

「やりました!」の証拠みたいなもんだよな、と私は思った。

被害者遺族が加害者からの謝罪金を受け取らない理由はないので

受け取ったことで非難されるのはおかしい。ほんま、むなくそ。おわり。