年をとったと思うとき。

先日、元気な80代90代の運転手役から解放されて家に帰りつくと

ご近所のとなりの市の職員をされているお嬢さんが車で実家に帰られて

玄関先でお母様と立ち話をされていた。

お嬢さんは手にたくさん荷物を持たれお母様はおかずを詰めた容器をもって

「今度は〇曜日に」と「今度来たときはあれ頂戴ね」などなど

私に気がつくと母子で会釈されてお嬢さんは車に乗り込まれていた。

夕方、疲れて多少心が弱っていたのか、私はしみじみ「ええなあ」と。

うちの娘もすぐ車で帰ってこられる距離に住んで今晩のおかずやら

あれこれ、持って帰らせることが出来る、そういう生活がしたかった。

現在、実家の母がその状態で(おかずをもらったことはほとんどないが)

それをよいと思っているかはわからないものの病院通いやらもろもろの手続きは

私がしているので少しは楽になっていることであろう。

私が同じことを娘にしてほしいかと言えば、今現在はそんな気は全くなく

むしろ度々、傍に住んでいないので、近所に住むがゆえに抱える親とのあれこれを

娘に味合わせないで済みそうでよかったと感謝している。

でもずっとそうでいられるのか。

ふと「娘が近所に住んで仕事をしていてうらやましい」と思ったように

いつか衰えたら「そばにいてくれたらよかった」と思うのか、

こればっかりはどうなるか自分ではよくわからないなあ。

ただ、現在娘たちの仕事が猛烈に忙しいと知ると、あんなふうに帰ってきて

顔を見てあれこれ持たしてやりたい、と強く感じる。

資格試験を終えて一段落した下の娘に電話でふと話すと

「ママは今が一番暇なんじゃないかな、おばあちゃんの運転手だけがお仕事で」

と言われ、そうね、かわいい若いお嬢さんたちの運転手役時代は楽しかったわ、

と思ったのでした。かわいい80代90代のばあちゃんたちの運転手も悪くないか。

少し疲れているぐらいの時が、一番心のすきを突かれるな。

ご近所のお嬢さんも都会の大学を出られて地元の公務員試験を山ほど受けて

ようやく一つだけとなりの市の職員になれたと話されていた。

しばらくは家から通われていたが通勤がしんどいと今は宿舎暮らし。

それでもすぐ帰ってこられるのは何かとお互い安心だろうな。

ネット日記には正直に「うらやましい」と書いておく。

おばはんは疲れ気味。おわり。