コロナが奪うもの。

ホテルの窓がなぜ開いたのか。コロナ下で空気の入れ替えをするためだったとか。

窓があかなくても起こったことなんだろうが、これもまたコロナ禍の一つ。

過酷な仕事を続けていたら、息抜きは絶対必要、

しかしこのコロナでは息抜きの種類も限られる。

俳優業のような容姿にかかわる仕事をしていれば、

ストレスを溜めないための「食べたいものを好きなだけ食べる」も許されないだろう。

がむしゃらに仕事をして疲れもたまった繊細な表現者

死にしか安らぎを見出せなくなるものか、三浦春馬君から続く訃報に打ちのめされる。

「憧れの聖子ちゃんの赤ちゃん!」と私世代の女性はみんな彼女を

希望の光として生まれる前から見つめていた。

そんな存在であったのは、時に彼女にとってはつらかっただろう。

でも、これからだった。

これからいろんなことが理解できて、これからたくさん幸せを得るはずだった。

年をとってトップアイドルとして生き続ける母親を理解することもできるはずだった。

自分も才能にあふれた存在だったから。彼女の声は美しかった。

今回の件で、切に望むのは一人娘をこんな形でなくした母親が叩かれないこと。

三浦春馬君の時は凄まじく残酷なことが起こった。

せめてそれがないように、それだけはないように、心から願う。

母娘関係は常に安定しているとはいえず、時々けんかだってして

お互い気まずくなることもある。それが普通の家族だ。

芸能人だからとそんな一瞬のあれこれを外野が大げさにするのは

どうかと私は思っている。芸能ニュースが家族を引き裂いている。

これもまた「コロナ死」の一つで、辛い気持ちの家族をそっとしておきたい。

その誕生から、死までを見ることになるとは思いもよらなかった。

こんな哀しい出来事はない。ただ哀しい。