「成人式(振袖)」の思い出。

かれこれ10年近く前になるな、上の娘の振袖を選びに行ったのは。

知らなかったが、当時でも高校卒業と同時に「振袖レンタル」合戦は始まる。

娘たちは早生まれなので二人とも19歳で成人式。

我が家は二人とも呉服屋がやっているレンタル会社で振袖を借りて

サービスで前撮り付き、本番はご近所の美容室で着つけてもらった。

というのも、レンタル業者の指定美容室では「午前3時に入れ」と、

めちゃめちゃ早い時間帯に「来い!」と言われるので、

ものぐさなアテクシがそんな時間に子供を連れて行くのが嫌さに

少々のお金を積んで普通の時間帯でお願いしたわ、結局それで正解。

あまりに早い時間に着つけて式の途中で気分が悪くなったり、着崩れたりの

トラブルもあったりして、前撮りもやっておいてよかった。何かとバタバタするし。

本番で美容室だけは少々高くてもレンタル業者指定以外のところを使った方が便利で、

大学の卒業式で袴を着つけてもらうときも大学生協主催のレンタル屋では

「〇〇大学」の学生を一堂に午前3時に集めて一斉に着付ける無茶ぶりを

やってくれるので、そんな早い時間に大学とは別方向の遠方の地で(東京での話)

着つけるなんて「出来るわけがない!」と卒業式会場近くで

それなりの値段を支払って着つけてもらって大正解だった。

てんやわんやの大会場での着付けは不満が多かったよう。

美容室を予約しておけば前もって髪型などの要望を聞いてもらえて本人は大満足。

数万で一生記憶に残る行事に満足した記憶を持ってもらえるなら出し甲斐もある。

下の娘の時も同じようにしたら、娘がまだ美容室にも入ってない時間帯に

完璧な着付けをされた同級生が「お部屋で休ませて、、」と半泣きでやってきて

下宿は引き払っているし、どこにも行くところがなくて、、と

娘が着つけに行っている間、髪に生花をつけた同級生は娘のベッドで

気を失っていた。朝の3時に入って5時に出来て、たずねてきたのが6時半。

娘の着つけは7時から。式は10時からだったか。もう忘れておる。

安いが良いか、利便性が良いか、迷うところだけれど、

我が家は特に大学の卒業式は地元ではなかったので、利便性を選んでよかった。

着物関係はなんだかんだでレンタルが便利だと、着物のお手入れを何も知らない

おばはんは思ったり。まだ学生だからはしゃいで汚したりするしな。

上の子の大学では日本有数の良家のお嬢様がちょこちょこいるので

それはそれはお見事なご自分のお振袖で袴を着けてその長い長い大振袖を

おどけて振り回すお嬢様がいてお母様、それ以上におばあさまの涙を見る気がした。

しっとりとした正絹でちゃんとした大振り袖におあつらえの長じゅばんが

ある程度の重みとなって面白いほど袖が回る、

お着物の達人がご家族にいるさらなる良家の子女はそういうことを見越して

「中振袖」と呼ばれる、袴をつける時の着物で紋付き、袴も特注品だった。

襞のとり方が全然違うので見ると歴然と差がわかる。

大学の卒業式でも貧富の差が明確に出るのを知った田舎のおばはんであった。

我が家は今度は結婚式か。現在昨年の順延組でいっぱいで会場が取れないそう。

ドレスも然り。どうなるのかね。おわり。