帰ってきたおきものがたり。(その4で終わり。)

というわけで、かなりごてごてした振袖を借りた、という顛末を。
結局、お姉ちゃんと同じ呉服屋系のレンタルショップで借りることになったのよね、、、
3年前にいた店長さんはいなくて、微妙に真面目すぎる感じの私と同世代おばちゃんが店長だったわ、おとなしめで、適当に見てください、的な、
びったり張り付いて「あれもこれも」というタイプが良かったか悪かったか。私は物足りなかったわ。
前に行った「振袖レンタルはじめました!」の店で、地色が濃い紫とか、柿色とかが似合うというのがわかったので、それ系を探して、
地色紫のコテコテの振袖を見つけましたのよ、ほほ、店の人が「ええ?これ、借りる?」みたいな、でも気付けると似合うのよー、
暇なときに行ったせいか、だんだん、おばちゃん店員が寄ってきて、「あれもこれも」と盛りまくってくれて、完成した大正浪漫風キテレツお振袖、
なんと紫の着物に濃い赤の半衿、重ね衿は蛍光黄緑ですぜ、そこにさらに黒のレースが入るという、イメージ的には「横溝正史」の世界。
横溝正史の映画でよくある「莫大な資産を持つ旧家の蓮っ葉な出戻り娘」が着ているような着物、と申しましょうか。
絢爛豪華でありながら退廃的な、婀娜っぽい感じの組み合わせではあるものの、色気がカケラもない、、、ではなく、清潔感溢れるうちのお嬢が着ると、
なんとなく「はつらつ、キテレツアート女子」って感じになるので、張り切っておばちゃんが盛りまくりました。お値段ももりまくりでしたが。
後で娘が言うのに、「面白かったね、前に行ったレンタルショップより、おばちゃんたちが着物になれてたし、ここでよかった」と、
確かに「振袖始めました」の店では、お店の人ももたもたして「えーと、これはこれに合うのかな?」みたいな、
着物の色の組み合わせというのは独特で、紫地にカラフルな花柄がこれでもか、と飛んでいるような着物に、白ではなくこっくりした深紅の半衿を合わせても結構合う、
その上に蛍光緑を合わせても面白い、というのは洋服ではありえないかも。バランスの問題なんだろうが、洋服に慣れていると、そういう組み合わせは思いつかない、
レンタルの着物は着物に詳しい人がいる呉服屋系がいいかも、と特にこの先役に立たないような知識を入れたのでした。
お嬢はその着物の上にベルベットのショールを巻き付けます、白のふわふわは全く似合わなかったので。
この組み合わせはおそらくおばちゃんの心を鷲掴みにするのですが、田舎の成人式的にはどうなのか?と少々不安に思いつつ、
どこに行ってもアイドル的に人に好かれるタイプの下の娘ならば大丈夫か、と思うのでした。
時間があくと、忘れるわね、、(涙)いろいろあったんだけど、根気もないので、おきものがたりはこれにて終了。
単にうちのお嬢は可愛いわ、ってな話でした。変な着物もあるもんだ。