きるものがたり。

悲しき加齢現象の一つに「安い服が似合わなくなる」があって、正確には「安い服は安い服にしか見えなくなる」なんだけれども
つまり、「安いんだけどそれらしく見える」服がやはり「安い服」でしかなくなるという、多分肉体に「若さ」という勢いがなくなるのね、、、(涙)
若い女の子があまりに良すぎる服を着ていると老けて見える、かえってみっともない感があるのの反対ね、バランスって難しいわぁ。
それから見ている自分の目がごまかせなくなるというのもあるかも。安くない方の服をこの年齢になると見慣れてくる、自分にごまかしがきかない、というか、
だから私ぐらいの年齢になると急に着物にハマる人が増えるのかも。着物に「目」が慣れていない、それを着る自分自身も。
ただ、必要性があって若い時から着ている、若い頃から身近に着物を着ている人が居る人の着物姿とは、中高年になって急に着物にハマり始める人とは明らかに違う、
おばちゃんの「コスプレ」姿になるのよ、、これも悲しき「加齢現象」、ご本人は「新しい私、発見!」と大満足だろうが、見ている人間には痛い、
着物というものにも「それはなかろう?」というのがあるのよね、、でも結構ごまかせる、和服マジック、でもその罠は果てしなく暗い。
要は「いい年になったらちゃんとした服を着ろ」ということで。洋服にしろ、着物にしろ。
着物といえば、下の娘のお振袖選びの記録の前に上の娘の卒業式でのお袴物語を。
袴のレンタルは、だいたい上と別になっていて、振袖のような「セット価格」はない。それは振袖を作られたお嬢様方メインのためで
卒業式では目の保養をさせてもらいましたわ、、いやー、さすが。絢爛豪華なお振袖の嵐。
「おぉおぉおぉおぉ、、」と盛り上がりまくる母娘、盛り上がる娘の袴姿はこうなることが初めから分かっていたこの点では多少知恵が回った母ちゃんの意向で
「コスプレ」っぽい斬新な袴姿で、しかもそれがよく似合っていたので、おおウケ、
下手にそれらしいのを借りて本物の振袖の勢いに負けるよりよかったわ、本人も大満足。
しかし、おそらくは100万円をくだらないだろう大振り袖を惜しげなく、ちょっとした機会におひきずりになられる無邪気なお嬢様方には親として涙したわ、、
長い袖の扱い方を知らないのよね、、ちょっとしたところでひきずる、こする、あぁあぁあぁ、、と、まあきっといっぱい持っていらっしゃるのよ、
赤の他人がおしがることもあるまい。
娘のご学友の中には、時々とんでもないお嬢様方がいてそういうお嬢様は「おばあさまの中振袖」とか「母の若い時の留袖」とか、
日頃着物を着慣れていないお嬢様がこの手の場でどのようになるかよーくご存知のお母様、おばあさま方が抜かりなく袖の短めの着物を着せていて、
でも下手な振袖より高価そうな着物地であったわ、こういうところで「家格」というのは出るよなあ、しかも「式服」だからちゃんと「紋付」なのだよね、
感心しきり、の卒業式なのであった、、、、何をしに行っとるんじゃ、保護者、と書き残して思う。そんなだから己は、、、ととりあえず、喝。
上下とも、心置きなくレンタルのうちの娘は汚すことなどものともせず、卒業式を楽しんだのでした。よかった、よかった。