半年ほど前から寝室でラジオを聴く習慣を持って、
「声」だけに限ると感じが良いとか悪いとかがあるものだ。
主にNHKFMを流して、夜10時前後に様々なゲストと対談しながら
曲を紹介する番組があり、ふと、イマドキの若者(10代~20代)の話し方は
ずいぶんと静かで落ち着いていると思う。
30代から40代は人によるのだが、一番騒がしげに話すのが
情けないことに私と同世代、50代以降。
恐らく、若かりし頃に好まれた話し方を今も維持している。
これが私には耳障りで、すぐ消してしまう。
80年代のバブルのころはこういった大勢の中でひときわ目立つ騒がしさが
「いかにも」と人気があったんだろうが、
その落ち着きのなさが今の時代にそぐわないと感じるのは私だけか。
考えてみれば、今の若者は静かな時代に育って、他人を押しのけるだとか、
他人の領域に踏み込むことに敏感で、そっと寄り添うように穏やかに話す。
繊細さが声にも話し方にも表れる、落ち着きもある。
「大人である」と感心もし、申し訳なくも思う。
私世代が標榜しがちな「人生は、遊び」な感覚を持っていない。
常に真面目に人生を受け止めている、これも人によるとはいえるけれど、
10代20代の穏やかな声を聞いていると親世代の私は反省で頭が下がる。
まあ、彼らもひょっとしたら身もふたもない年寄りになれば
若干、耳も遠くなって大声でわめきたてるのかもしれないが。
世代の声、話し方はあるんじゃないか、
私は「今」の声をいつでも聞いていたい気がする。
わたしと同世代の「80年代しゃべり」はどうにかならないものか、
騒がしくしゃべりがちなおばはんは大いに恥じ入って気を付けようと思ったのでした。
おわり。