老人生活。

正しい中年のベテランとして若者の邪魔にならないように、

人の少ない時間帯に用を済ませるように気をつけている。

そうすると必然的に行く場所、時間帯がベテラン老人たちと同じになって、

よく見かけるのが70代後半くらいの声のでかい爺さん。

声がでかいのは別によいんだが、彼らは高確率で怒りまくって

おとなしそうな若者に絡みまくっている。

決して前期中年(40代初めくらい)の男相手ではないのが、みそ。

先日は暇な中高年の多い図書館で、大変若くて可愛いカウンターの女の子に

自分の相手を完璧にしろ、と怒鳴りまくっている大声の爺を見かけて

後ろからタコ殴りしてやろうかと思った。

そのジジイは愛想よく振舞う女の子に

借りたい本がある、ここにはない、自分では探せない、コンピューターが悪い、

お前が俺のそばに座ってコンピューターの操作をしろ、云々、と、

その絡みっぷりは難癖をつけながら女の子の体をなでまわさんばかりで、

あのジジイにくせに異様な性欲のガツガツした雰囲気は、いったいなんなんだ、

思わず、その場にいる危険を察知した私を含む中年たちが立ち上がって、

ものすごく困り果てている女の子に声をかけて助け舟を出したり、

別のもっとベテランの図書館員がやってきたりして、事なきを得たのだけれど、

爺は当然納得しておらず、すきあらばその女の子に近づこうとする。

その粘着力と言うか、執念と言うか、

いったん、目的としたものを獲得しなければ、死んでしまうといわんばかりで、

結局、あまりにしつこいんで警備員さんと図書館の男性の偉い(たぶん)人に

連れられてどこかに消えて、はあ、やっと私も帰れる、と胸をなでおろしたのでした。

こういう体力の有り余った、でももうボケが始まっている80前後の爺さんを

私は「野良老人」とひそかに呼んでいる。

家族もいるだろうが相手にされていないか見放されているか、

「放し飼い」になってとんでもない迷惑を若者にかける、まるで「野良犬」のようだ。

しかし翻って、私も放し飼いの「野良中年」なので、

こうならないように気をつけたい、と思ったり。

私が気になるのは、たいていのジジイは孫のような若い女の子に異様に執着する点で

こういう爺は若いときもセクハラしまくってきたんですかね?

時々爺さんが、小学生女児にいたずらしたとかでつかまっているのを新聞で読むが、

こういうのはもっとたくさんあるんじゃないか、

若い女の子に絡みまくる大声爺さんは問答無用で

何かの薬を注射しても良いんじゃないか、と思うおばはんなのであった。

社会問題だよ、これは。と老人生活をしていても思うのでした。

老いは怖い。