冒頭に出てくる「パク・セロイ」君をマイダーリンはなかなかわからなかったので
何時間見ても俳優さんの顔を覚えられないって、加齢現象は過酷。
それはともかく、大変韓国的な面白い映画だった。
わたしには「ホラー」に思えているけれど、世間では「格差社会の悲劇!」と、
確かにその通りではあるものの、なんだか途中からの展開に驚いて
そういう感傷はほとんど思い浮かばなかった。
「ええ?そう来る?」のような思いがけなさは韓国映画の特徴で
キム・ダミちゃん主演の「ザ・ウィッチ 魔女」もそうだった。
意表を突く出来事がどんどん進んで結末に至る、このうまさは日本映画にはない。
必ずバイオレンスが含まれるのはかつての香港映画の影響があるのか、
またその暴力映像の速さ、容赦のなさ、
これが好まれるのはやはり韓国には兵役があるせいかとさえ考えさせられる。
最初から最後まで何に感情移入すればよいのか、
3つの家族のうち、一番悲劇的なのは階層の最も低い家族であったが
冷静に考えれば、特に悪いことをしたわけではない富裕層も気の毒な、
あのまま、あのカップルを受け入れてそこそこうまくやることができなかったのは
やはり貧乏人は仲良くできない、ということなのか、
でも、仲良くしようと迷う部分もあったのだよなあ、、、
韓国の住宅事情はどうなっているのか、東京でも半地下に住む人はいるか、
トイレの位置が家のどこよりも高いなどという強烈な間取りに驚いた。
そりゃー匂いが身に沁みつくよなあ。
もう少し、住環境を整えることはできなかったのか、住むところは大事。
評判が高く、「格差社会の悲劇!」と聞いていたので私は富裕層に取り入った家族が
トリックを弄して逆転劇を見せる詐欺師の物語を予測していたので
それが全く外れてしまったのは痛快だったかも。
ただあっという間に話が進むので心に何かが残る映画ではなかった。
これも韓国映画の特徴に思う。星は4つかな。おわり。