加齢なる日常、、

数日前から片目の調子が悪いので

先生の愛想が悪くていつも閑散としているご近所の眼科に行くと、

先客がいてその爺さんが診察室でわめく、わめく。

「患者が悪い言うたら悪いんじゃー!」と、

いつものように先生が無愛想に「なんともないですよ」と言ったら

スイッチが入ったらしく、そのまましばらく大声で文句を叫び続け、

よくまあ、この日ごろから不機嫌そうな先生相手に言えるもんだ、

先生は一見おとなしそうなおばあちゃんなんだけど、

普通の患者にも対応が木で鼻をくくったよりもよろしくないというのに

なんと恐いもの知らずであることか。

と言って、先生の見立ては常に正しい。故に何かあると必ず行くようにしている。

日ごろ気の弱い私は出来るだけ下手に出て先生に機嫌よく見ていただこうと

行くたびに努力しているのに、

このような爺さん相手のあと、私が見てもらうときは先生のご機嫌は

激、悪いであろう、帰ろうかしら、なんて思っていたら、

わめき散らして気がすんだ爺さんは今度は居座ろうとし始めて、

さすがに先生が返事もしなくなったので看護師さんたちになだめすかされ、

診察室を出てきたんでした。

コロナ・コロナのこのご時勢にこの80過ぎの爺さん、マスクすらしていない。

なんたることか!と思っていたらすぐ私の名前が呼ばれて、

先生!看護師さん!!つばをとばしてわめき散らしただろう爺さんの後、

診察室の消毒もしてくれないんかい!!!

おまけに視力検査も眼圧検査もしてくれなかったわ、

「なんともないです!」とせせら笑うように先生に言われたが、ほんまか?

一応目薬はもらったが、治らなかったら、別の医者に行こうと思ったのでした。

瞬で終わった私が診察室を出るとまだじいちゃんは待合室にいて、

人に相手にしてもらいたい感、めっちゃだしている。

隙あらば、目を合わせれば、何か言ってやろう、感、出しまくりで

ほんまにこういう妙に元気な年寄りを弱らせる薬はないか、

とにかく迷惑な年寄りであることよ、と極力見ないようにして医院を出たのでした。

相変わらず閑散とした、先生はほぼ趣味で開業しているので

お昼前、ほかに患者もいないんで先生は診療時間を切り上げて

看護師さんたちとお昼でも食べに行くんじゃないかな、

先生はそれで機嫌を直せるけど、腹立ちまぎれに雑に診療された私は

どうしてくれるんだ!と現在もまだ不機嫌に思っているのでした。

かなりの高齢であるにもかかわらず、一人で車を運転してきているあの爺さん、

先生になんともない、と言われたら、納得しろよ、

もっとも患者に寄り添わないことで有名な先生だよ、

あの先生になだめてもらえる年寄りなんかこの世には存在しない、

見立てさえ正しければそれでよいんだよ。

たぶん今回の私への見立ても正しいんだよ、それで我慢しろよ、じいさん。

しかしあの年齢でついてきてくれる人もいない、一人でいるのか、

いや、たぶん家族はいるだろう、

でもだれかれかまわずつかかっていくような爺さんは

家族には他人以上に突っかかるんだろう、故に見放されている。

あぁあぁあぁ、年をとるって大変、と、

いまだなんとなく目に違和感を覚えるプレ高齢者のおばはんは思うのでした。

それにしても、私はどこかに出かけると、よくこういう場面に出くわす。

間が悪い人間なんですかね、とほほほほほ、、、終わり。