映画感想・スパイダーマン・ファーフロムホーム。

これはお勧め。大変面白かった。

アベンジャーズ・エンドゲーム」の時に予告編を見て

視覚効果を楽しむのにはスクリーンが良いか、と思ってみたが

それだけではなく、ストーリー展開が素晴らしい。

天才であると同時に「フツー」の男の子でもある

スパイダーマン・パーカー君の

修学旅行中に好きな女の子に告白しようと画策するお気楽さと

思いがけず押し付けられた「ヒーロー」としての責任を

「まだ子供」の自覚から回避しようとする、

その姑息な「画策」ぶりが、未完成のヒーローとして魅力的で、

「不安定なヒーロー」の路線は「バットマン」の系譜か。

とにかく若いスーパーヒーロー、スパイダーマン・パーカー君はがんばる、

失敗し、後悔しながら考え、成長する。

故に青春映画としてよく出来ている、ぜひ、10代に見て欲しい映画でもある。

アベンジャーズファンでなくとも楽しめるのではないかな。

でも、「インフィニティウォー」と「エンドゲーム」は見ておいたほうが良いか。

アベンジャーズシリーズをはからずしてほぼすべて見ている私としては

冒頭、「エンドゲーム」その後の世界の細かなことを

さらっと触れているのがうれしい。疑問が世界中でも多いんだろう。

あと、なにげに映画でヨーロッパ観光できるのもなかなか。

ベネチアに行きたくなった。沈む前に行きたいものだ。

スパイダーマンシリーズは私世代ではトビー・マグワイアの印象が強く、

その後、演じたイケメンすぎるアンドリュー・ガーフィールドでは

どう見ても「違うだろ」感があったが、

今回、アベンジャーズの一員として発展したトム・ホランド版は

従来のスパイダーマン像を踏襲しつつ「今風」で、

「明るく、軽く、ちょっと馬鹿」でも「悩める若者」な

大人になる少し前の子供として最後の年代を生きる、

実際、演ずるトム君もまだ若いので、その臨場感が素晴らしい。

楽しく、感動的で、少し、悲しい。

明るいスパイダーマン・パーカー君はこの先、子供っぽさを無理やりにでも脱ぎ捨てて

暗い世界へと旅立たなくてはならない。徐々に重くなる「責任」を背負いながら。

でも、がんばれ!パーカー君!!

その生来の明るさを失わず、新世代のヒーローとして、大人になってくれ、

と、実は「アイアンマン」がうっとうしかったおばちゃんは思ったのでした。

「アイアンマン」の若かりしころが、

今のスパイダーマン・パーカー君だったら、ちょっといやかも。

アイアンマンは基本的にお坊ちゃまだし、パーカー君は庶民なんで

違うと信じたいものよ、、、

何かと文句の多いおばはん、絶賛の映画。映画館で、ぜひ。