セクハラのこと。

現在就職3年目である上の娘が新卒時に仕事関係で軽めの「セクハラ」事件にあって大変心配した。
娘は広報の手伝いで時々「会」の受付をするようになって、いい年の既婚者に目をつけられて何度か誘われた。
念のために書いておくが娘は「会」以外の場所で個人的にそのオッサンに会った事は一度もない。
職場の仕事相手なので無愛想に振舞うわけにもいかないと我慢していたものの、
しつこくつきまとう様相をあらわしはじめたのできっぱり断ったところ、
仕事を絡めた「恫喝」発言をしたので、娘は悩んで職場に相談した。
そのオッサンは毎年、新入社員を狙っておかしな振る舞いを仕掛ける「ふだつき」で、
今まで犠牲者はいなかったが、毎年繰り返すので上司がやんわりと相手企業にクレームをいれてくれた。
娘は会の世話からしばらくはずれ、そのおっさんもやがて所属企業から派遣されてこなくなった。
あとでわかったのはほかでも同じことをしてクレームが多発していたらしい。
娘は1年目にして「自分の会社の名前をやたらに振りかざす人間にろくなのがいない」と学んで、
「仕事になんの権限もないのにあるように振舞った」と激怒していた。
「もし会社が我慢しろっていったら、私、仕事をやめて家に帰るつもりだった」と
うちの娘になにしてくれとるんじゃー!と私は弁護士をつれて殴りこみに行くつもりだった。
一人暮らしをさせていても何かあればすぐ親が駆けつけて、
娘を少しでも不快にさせた相手を決して無傷ではおかない家庭で育っているのがまったく見えていない既婚中年が、
ただ「若いから」で侮った振る舞いをしてくる。新卒で緊張しながら仕事をする若い女の子の頼りなさを狙っているのだろう。
上手に対応できない弱い女の子がたまにいるのかもしれない。「あわよくば」という薄汚さに、私は娘以上にいまだ激怒している。
世間にはまだまだこの手の「セクハラ」がある。
ただ、娘の職場も相手先の企業も、良識を持って対応してくれたのには感心した。
双方とも、娘を守る方向で動いてくれたのには心から感謝している。だから娘は仕事を続けられている。
その後は娘に「セクハラ」事件はないので社会は案外「まっとう」だと思う。
私にはもう一人娘がいるので、新社会人になったときを心配している。
下の娘は工学部生で男性ばかりの場所にいて、意外にも「セクハラ」はないようだ。
セクハラは「男性」という存在が悪いのではなく、単にそれを行う「人間」だけが悪いんだろう。
故にことさら「男の性欲!」を神聖視する人間を私は信用していない。
ちなみに、娘に何度も誘いをかけたおっさんの手口は娘の個人的連絡先を「仕事で緊急のときのために」と聞き出そうとする。
「何かあれば広報部アドレスへ」というと「それではすぐ連絡がつかない」
「私にはなんの権限もないのがわかりきってるのに、そういうことを言う、馬鹿かと思った」
「それでは上司の連絡先を後ほど会社のほうに届けさせていただきます、っていったら、
「それじゃ間に合わない」ってニヤニヤして、本当に不愉快だった」
このような見え透いた手口に引っかかることのない娘である時点で、お前より数段人間が上じゃー!と気がつけ、と思う。
人に名の知られた大企業の人間の中にもこういう人間はたまにいるのに、めまいがする。
どうやって、就活を勝ち抜いたんでしょうかねえ、、、