「愛」だけが見当たらない。

今どき、環境さえ整っていれば、既婚女性も普通に働く時代だけれど、

その環境が整った人は多くない。

夫婦の地元が同じで育児をどちらの親も手伝ってくれるならば

妻はらくらく働いて快適に過ごしている。家も二人で建てやすい。

しかし、結婚相手(主に男)についていくためにいったん仕事を辞めると、

慣れない土地で既婚女性が仕事を探すのは至難の業、

まだ子なしなら子供を産む話をそれとなく振られ、

すぐ産休を取られては困る、と採用されない。仕事探しで心が折れる

ましてや子供がいるのでは、余計に足かせになるだろう。

それで「うちの寄生虫」などと言われたら、発狂どころか、私は腹を刺すけどな。

転勤族妻だった私が知る限り、転勤先で職があるのは夫の会社が妻のために

それとなく用意しているもので、代々受け継がれている。

寄生虫妻」を持つ増田は妻の職探しを手伝っているのかな?

昔からちょっと頭の回る男が狙うのが国家資格を持つ女性で

保育士や看護師、薬剤師など「やめてもまた働けるよね」と

マッチングアプリで出会っても簡単に言うらしい。

「私が辞める前提かいっ!」と当然女性側は腹を立てるわけで、

娘の同級生で現在薬剤師のお嬢さんはかわいいので簡単にアプリで出会えるが、

会った男全員が「仕事を辞めてついてくる」と勝手に決めてしまうので、

あきれている。

「薬剤師の仕事はピンキリで、私は就活するときに、できるだけ福利厚生が良くて

今後の伸びしろもある会社をわざわざ選んでいるのになんでそれを捨てて、

あんたみたいな人間についていくと思われるわけ?」と当然、次、会うことはない。

「なんだったらあんたの会社より格上だよ」とまではさすがに言わないようだが。

これは看護師さんでも同じで、じっくり選んだ就職先を辞めてまで

ついていく気になれる素敵な男子はマッチングアプリにはいない。

下の娘の同期の妻が「保育士を辞めたいから結婚した!」で、

同期は働かせたいものの「やめるから結婚した、働くなら離婚する」とのことで

娘曰く「マッチングアプリで結婚したんだけど、正直、結婚して仕事を辞めてもよい、

といったから結婚してくれたようなもんで、バリバリ働けるメンタルだったら、

同期なんかと結婚してないと思う、めっちゃ可愛い人だし」と辛らつ。

保育士さんの仕事はあまりに大変で、メンタルをやられる人が多い。

だいぶん待たないと仕事復帰は無理じゃないかな。

「私の資格は私のためにとったものであって、結婚相手のためではない」と

まことに当たり前のことが「国家資格を持ってどこでも働ける女性と結婚したい」

男子には欠けているようで、そこに打算はあっても愛は見当たらない。

多分、高学歴女性の非婚化は相手からの「愛」が全く見えないためで

彼女たちの「なんで私が辞める前提?」を少しは考えてみてはどうか、

いったん女性が仕事を離れなければいけない危険性を全く考えていない男性は

自分が得るメリットばかりに目を向けて相手のデメリットがまるで見えない。

結婚で自分が何を差し出せるのか、

「男にとっては命より大事な「自由」を手放すんだ!」とうそぶくなら、

その「自由」を手放さず一生一人でよいだろう。

「俺と結婚する名誉を与えてやるから結婚しても働け、子どもは産め、

家事育児もこの俺様が手伝う気がある(=やるわけではない)から完璧にやれ!」

が透けて見えるところには「愛」だけが見当たらない。情けない話だ。