雑談。

先日、上京した折に「新宿御苑」に初めて行って、その脇に高校があるのを見つけて驚いた。
こんな街中に公立高校があるとは!
後で調べるとちょっとありえない恵まれた場所で広い運動場まであって、進学実績も決して悪くない。
ネット有名人が学歴を誇ると言えば、大体が「慶応です!」になるようだが、その慶応に普通に10人以上入学しているようで、
偏差値を調べると高くはないものの、慶応の附属女子校の偏差値は高いがそこの全員が慶応大学に入るんだったら、
新宿高校だって、悪くはないよな。偏差値順位はかなり開くが。
私がかねがね不思議に思うのは、「真実の偏差値」はなかなかあらわしてもらえない。
親に金があるか、ないか、くらいしか私立と公立の違いは変わりはない気がするが、それは自分の子供が公立育ちだからかね?
新宿御苑散策に付き合ってくれた上の娘に「この高校、よさそうだね」というと、「うん、私の子供はここでも良いかも」などと、
大学に入って周囲は教育大附属以外ほぼ全員中高一貫私立育ちだったのに、娘はいまだに「公立がいい」と考えて止まない。
私立で育つ付加価値はわからないでもないが、結局、それは「完全に親の金で買ってもらったもの」に過ぎない、の認識がある。
「日比谷高校もよさそうだった」と、そこは私はまだみたことがないが、やはり立地がよいらしい。
地方にいると、都内の事情はやかましいマスコミ情報しか入ってこないが、娘が住むようになってから、うっすらと、
大声では叫ばれないものの、ある種の場所ではまだ「やはり公立が最上」の意識があるようだ。
教育大附属校や、旧制中学はもとより、一般庶民は入れない公立小学校があるらしく、
「番町」だの「麹町」だの、その小学校に通ったのが「ステイタス!」とは、私の地元でもそういうところがあるなあ。
そうなると「慶応幼稚舎」なんて、「ふ」と鼻で笑われてしまいそうな、育ちが良いからそんなことはないんだろうが、
人間、どこに住んでも結局は同じような現象を起こすんじゃないか、「都心部が地元」の人には独特の価値観がありそうな気がした。
実を言えば私の親戚筋にも慶応閥があったりして、でもそのご家族を見る限り、もう「マックス」が「慶応」なのだよね、
決して「東大・京大」に手が届くことがない。
ものすごく狭い枠の中で最近のことばでいわゆる「ウェイ・ウェイ」って感じで、いや、そこまでお金が出せるのはご立派、と思うが、
その出せることが出されたご本人の出来に直結するか、と言えば、必ずしもそんなことはないので、なんだかなあ、と貧乏人は思うわけで、
「買える」の価値はそこまでじゃないか、私の親戚筋も、おじいちゃんの代から慶応閥であるらしく、
そのお孫さんは大変立ち居振る舞いが洗練された方ではあるものの、お仕事の面で言えば、育ちの悪い公立育ちに
「ハイ!そこ、どいて!」みたいなことをされたりしているようで、完全公立育ち、旧帝大卒の別の親戚がたまに助け舟を出しているが、
いつも出来るわけではないようなので、難しいもんだと、遠目で兄弟と眺めている。
西原理恵子さんが「世間は上品な私立じゃないんだよ」の言葉を思い出す。
世間で大声で言われていることと、ひそやかな現実は大分違う。そういうことを上京するたび、思うのでした。