テレビ雑記。

スタンフォード監獄実験の番組をマイダーリンと見て思ったことなど。
二人の番組解説者のうち、ひとりの池内了氏はともかく、もう一人の女性の肩書き、「放送大学教授」ってなんじゃ。
で、この方の歯並びが妙に悪い。見終わって話し合ったとき、見事なまでに夫婦一致してこの女性への印象が同じで、いやはや、罰当たりな馬鹿夫婦。
ついでにこの女性の「赤信号でもみんなが渡っていれば一緒に渡りますよね」の意見に、
夫婦ともども「渡らないよね」と、私は立ち止まって青に変わってからぷんすかしながら歩き出すほうで、
マイダーリンは、そもそも信号しか見ていない。ほかの人が歩いていようが興味がない。
なんと私たちは、社会的協調性に欠ける夫婦であることか!基本的に私たちは「社会にどう見られようがどうでもいい」の点で一致している。
私たちのようなはじめから社会性のない人間は、おそらくこの社会心理実験の被験者には選ばれなかっただろう。
たぶん、「人体実験」とまで非難されるほど、この実験がうまく行き過ぎたのは、被験者全員、均質な人間を選んだからではないか。
様々な人間を混ぜておけば、ここまで簡単に看守役が暴走しなかった気がする。
やはり社会には、わたしたち夫婦のような社会性に欠ける人間も必要よね。(はぁと)
不思議なのは、この実験は早い段階で囚人役二人があまりのストレスに異常をきたして脱落し、
被験者たちはいつでも実験から抜けることが出来たらしいのに、看守役はともかく、なぜ、囚人たちはともに「実験、やめ!」としなかったのか。
囚人役が一斉にやめたらすぐ中止になったろうに。
テレビ番組では看守役のことしか取り上げていなかったので、囚人心理が知りたくなった。
「化学実験だからやらねば!」と思ったんだろうか?
私が一番面白いと思ったのはこの実験の発案者、フィリップ・ジンバルドーがニューヨークのサウスブロンクス出身であったこと。
いわゆる当時の貧民街出身で、発案者自体は環境に順応せず、そこから抜け出した人間であるというのに、
そうではない人間たちの行動に興味を持ったのは何故か、私としては環境に感応しない人間のメカニズムのほうが気になる。
フィリップ・ジンバルドーの出身を聞いたとき、思い出したのが「文化資本」で有名な社会学ピエール・ブルデューで、
ブルデューも確か貧しい出身ではなかったか。
この必ずしも恵まれた出身とは思えない二人が、「状況」「出身階層」と言う「環境」で人がいかに左右されるのかを解き明かそうとしたのは
不思議な偶然のようの思う。(ジンバルドーも名前がフランスっぽいのでフランス系か?)
がらりと環境の違うところに這い上がってきた人間に見えるものは「坂の上には雲しかなかった」ではなさそうだ。
均質な社会に異分子が入ったとき、人間は進歩するのかな?
今ウィキで調べると、囚人心理については「ミルグラム実験」が有名だそうだ。そのうち本を探して読んでみよう。
社会には、異分子が必ず必要なのよね、、なんて勝手に思ういい加減な理解力のおばはんであった。
番組ではアメリカは今も心理実験的な試みをあらゆる分野で駆使しているようで、いややわぁ、アメリカ、
全世界の人間をアメリカ化する、なんて、共産国より怖いわぁ。
でも今のところ、アメリカのマーケティングプロパガンダはすごいからね、
属国日本は「ハーバード白熱教室!」とか言うとすぐ飛びつくし、私も「スタンフォード実験!」を見ている。
ま、私は「吉川晃司」を見てるんですが。
てなわけで、「私はアメリカ人にはならないぜ!」を心新たにしたのでした。(なんのこっちゃ)おわり。
しかし、あの番組に「吉川晃司」、いらなくね?