お嬢様方の最近。

ブラック部活にブラックバイトまでやっていた工学部の下のお嬢様は「奇跡のフル単」と呼ばれながら無事3回生に進級。
講義で先生から
「君たちは世界有数の工業国である日本の栄えある工学部生であるということを常に考え」
「日本の復興は工業の発展とともにあり、社会をよりよくするためのものづくりを工学部の学徒として」
「ものづくりを通して日本が世界をリードする、その一端をになう学生として、」などなど、
こんな「愛国的」な言葉、久々に聞いた、こういうのを端然と言ってしまえる工学部の先生方はすごい、
「物を作る」とは「社会をよりよく変えるため」と、まるで「ロボット3原則」みたいなのを純真な学生に刷り込む、
面白いなあ、と話を聞いた親が勝手に思うのでした。
「これからの君たちに期待している」といいつつ、ぎゅうぎゅうと勉強させるのよ、うちの子は相変わらず夜遅くまで図書館で勉強している。
「落とした!」と思った学科が本当に「ぎりぎり」だったようで、○ポイントまで現学年中にあげないと、取れないコースがあるらしい。
でも「物を作ることで世界をよくしよう、そのために学ぼう」と呼びかけられるのは素敵だとお嬢様も思ったらしい。
工学部に行くとは、こういう言葉と出会えることなのだな。
一方、社会人生活2年目の上のお嬢様は、常に「住みたい町」にランキングされている現在の居住地をうらやむお友達の指示により
「どこそこをお散歩して、どこそこの素敵パン屋に寄り道する、意識高い素敵女子」を実践しようと、
「どこそこをお散歩して」は気分よく過ごせたものの、寄り道の「どこそこの素敵パン屋」の法外な値段に腰を抜かして即撤退。
「ママ、わたしは「素敵女子」にはなれない」と電話をしてきたのでした。
「こんなちっさいパンひとつに○百円払え、って言うのよ!」
お友達の指示には「これがいつもの私の日常、、とインスタで発表」まであったらしいけれど、
「そもそも、私、インスタグラムなんかやってないしね」と若い女子にありがちなことをやろうとして即目が覚める「非・素敵女子」なのでした。
うちのお嬢様は「○○」に住んでいれば誰でもがただで出来るお散歩は楽しめるけれど、
「素敵パン屋」でお高いちいさなパンを買うよりは、スーパーで安売りのヤマザキの「大ロシアパン」を買って帰るほうが幸せな「質実」女子なのでした。
「素敵女子、挫折!」と電話をかけてこられて大笑いした。二人とも、幸せそうでよかったざんす。終わり。