ほんのかんそう。「私の家探し」津田晴美

ノロ、のち脱水、おばはんの干物。と昨日弱りながらも読んだ1冊。人の「家探し」は面白かった。
津田晴美さんという人は、ハテ、何者か、図書館ではクニエダヤスエさんと同じコーナーにある人なので漠然とスタイリストだと思っていたが、ちがうようだ。
とりあえずインテリアコーディネーターでいいのかな?という人の東京での特異な家探し。
今後の参考になるかと思ったが、そうでもなく、反面教師的に読めたのがよかったということにしておこう。
まずは、著書もそこそこある人が長らく賃貸で暮らしていたことにびっくり!
東京ならではの暮らし方だ、しかも相当癖の強い、子供のいない夫婦の家となると、長らく賃貸、は正解なのかも。
津田晴美さんは、その高い美意識は買うがご本人が自身の好き嫌いの激しさをまったく隠さないので、そこが気になる人も多い。
私も実は苦手なタイプだ。そういう人の家探しが難航することは読む前からわかっている。
というか、難航したから書いたんだろう。
どのように難航したか、なのだが、まず、難点は15年、同じところに住んでその間一切不動産探しをしていなかったこと。
私は賃貸の場合、どのようなことが起こるかわからないので、こまめに不動産屋はチェックしたほうがいいと思っている。
やはり「賃貸」はそこに「住めなくなる」可能性は大。その危機感がなかったことが私には驚きだった。
で、不動産屋選びからはじめるものの、「人の紹介」というのがまことに頼りない。
その「人」というのが知る人ぞ知る(?)「フローレンス西村」さんで、私もなんとなく名前を聞いたことがあったので今調べてみると
「ライフコーディネーター」で元岩倉具視の孫の妻、という「セレブ」なお方、
その方の紹介で、三浦半島にまで家探しに出かけるのだが、読んだ後、なんとなくフローレンスさんに悪印象が残ってしまう話だ、と後味が悪い。
こういう「癖」が津田さんの困ったところなのだよな、底意地が悪いような、それとも天然なのか、わかりかねるところが居心地が悪い。
ま、ええとしになってるわたしは「てっぱん」で悪意を持って書かれている、と判断しているが。
ようはフローレンスさんかかわりの人の紹介で行った不動産屋がろくでもなかった、なんだが、この場合、仕方がないことなのだよな、
津田さんの場合、本を出しているとはいっても、それほど知名度があるわけではない。
その怪しげな不動産屋が「フロー」と呼んで、やたらに親しさを強調するフローレンスさんほど有名ではなく、お金持ちでもない。
私はその不動産屋にかなり足元をみられてなぶられた、って感じがした。
ご本人の高いプライドに収入が伴っていない場合、この手の大きなお金が関わる仕事の人間からはいい加減な扱いをされる。
津田さんの家探しが難航したのは、他人にはわかりずらい、自分の「プライド」を満たすための住居探しだったからじゃないか。
彼女の住居への譲れない点が一般的ではない、「プライド」というのは人には理解されがたい、面倒なものなのだよね、、
あちらこちらの不動産屋をみて回って、結局、とりあえずの住処に移ったようだったが、この話は2000年前後の10年以上前の話。
現在、津田さんは出身地である熊本に移られたようで、ハテさて、その顛末を読んでみたいような、もうおなかいっぱいのような。
津田さんはもう少し間口を広くしたほうが、住む家も見つかったんではないか、
ある程度の年齢になったら妥協も覚えて人間関係も構築しておいたほうがよいのかも、と感じたのでした。
それをしたから津田さんは地元である熊本に帰っているのかな?都会の「家探し」は大変だ、、とあらためて思ったのでした。