ボンド映画「スペクター」を見たよ。

2時間越えの長編だったが、すきあらば居眠りをするババアのこの私が一度も寝込まず見られるほど面白い。
しかしその内容は「ジェームス・ボンドが若く美しいフランス人とであって寿退社する話」、
壮大な「馬鹿映画」で昔の無内容なボンド映画を見事なまでに踏襲した年寄り仕様。
ダーリンと二人でウィークデーに見て、客層はほぼすべて高齢者、ここの最年少は50手前の私か?みたいな「お達者クラブ」状態、
ショーン・コネリー時代から見てます!」な人もちらほら、さすがに「ショーン・コネリー」時代は私はテレビでしか知らないわ。
それはともかく、冒頭から裸の女性のシルエットがボンドの周りでくねくねは、フェミニズムにけんか売ってんなあ、
私は昔タモリが「金粉を体に塗ったら本当に死ぬのか?」の番組を思い出した。
ほかにもたこがぬめぬめしてんなあ、「オクトパス」なんてタイトルのボンド映画があったっけ、
後でダーリンに聞いたところ、「たこ」は「スペクター」のシンボルだと、「オクトパス」じゃなく「オクトパシー」だと教えてもらったわ、
「スペクター」のシンボルは「たこ」だったか!私は死にかけの「クモ」かと思ってたわ。
よく考えれば、世界の悪悪軍団のシンボルが死にかけのクモなはずないわな、でも「たこ」ってどうよ?
どうしても日本人「たこ」は「たこ焼き」が頭に浮かぶ、「恐怖」のシンボルにはならないんだよな。
この英国映画、とにかく英国人のあからさまな願望と言うか、心理というか、
まず、全会一致しないと成立しないある案に反対するたった1国が「南アフリカ」だし、
かつての悪者の隠れ家が「アメリカン」、ボンドは悪悪軍団の会議に潜入するとき名乗る名前が「ミッキー・マウス」、
ボンドが盗んだ「009(サイボーグかー!と叫んだ日本人は私以外にもいる!)」の車から流れ出す曲は「ニューヨーク・ニューヨーク」、
南アフリカは言うことをきかないし、アメリカは悪いやつ!な、最終的に若くて美人のフランス人女性とラブラブって、英国人男性の妄想炸裂
基本的に英国人男性の溜飲を下げるためにある映画なんですな。
微妙な悪悪軍団の大ボスはボンドの「兄」のような存在で、「お前の最近のいやなことはぜーんぶ、この兄ちゃんが仕組んでやったことだよー!」なんて、
「こどもかっ!」
前作は「おかあちゃんがボンドばっかりかわいがるから」だったが、今回は「お父ちゃんが弟ばっかりかわいがったから」な、
なんですか?この壮大な親子、兄弟げんかは。英国人は愛してくれない親は殺す、なのか?こわいわぁ。
親の立場としては、息子の元々の出来があまりにも、だったのであかの他人のボンドのほうをかわいがったんじゃないか、と思ってしまったわ。
「こどもかっ!」な場面は悪悪軍団に加担する官僚(名前は「C」)が「「M」は「うすのろ」のMか」(すみません、mで始まる単語を忘れました)
とボンドの上司「M」に向かっていい、それに対して「M」が「Cは「careless」のCか」と言い返す、
あぁあぁ、なんだこりゃ、壮大な子供のけんかを見ているのか、はぁあぁあぁ、、、(えんどれす)
こういうのが面白い私はもう老化があまりにも進んで退行現象を起こしているのか、と見終わったあとに感じてうらぶれたのでした。
最高齢「ボンドガール」は前作の「M」か「エリザベス女王」か、と思っていたら、今回「モニカ・ベルーチ」らしく
しかし「マレーナ」のころのモニカ様ならともかく、もうすでに美しい「おばあさま」となりつつあるモニカ様とのラブシーンは
いくら年寄りの私にも訴えかけるものはなかった。「ボンド、仕事は大変」としか思えなかったわ。
「SPECTRE」のつづりが「er」ではなく「re」なのが、英国産の映画だなあ、と妙にそこに感激する私であった。
面白かったよ、終わり。