読書メモ。

ベルナール・アルノーのインタビュー本は2000年頃のもので、なんと15年も前。
一番、ぶいぶい言わしてた頃か、現在の状況を調べつつ読むとやはり面白い。考え方は当時と今もさほど変わっていなさそう。
海外の大成功事業家の本を読む前に、国内の大失敗事業家の本も読んでみた。
大王製紙前会長の井川意高氏の「熔ける」と「トレハロース星人」が有名なハヤシバラの林原健氏の「林原家」、
会社が消滅したわけではないので、大失敗とまでは言えないし、経営者が首をくくったわけではないのでお気楽か、と、
2冊ともさほどページ数もないので、1時間ほどで読めた。
この感想はそれぞれまた後で書くにして、アルノー本とこの2冊でふと気になった点があったので。
ルノー氏は、今読んだ時点では「父は私を信用してくれた」と父親との関係は悪くなさそうなんだな、日本の林原氏と井川氏が書いていることと対照的だ。
林原氏と井川氏の本に共通することは「父親が怖かった」なんだな、父親にかなり暴力を受けて育っているらしい。
とは言うものの、子供の印象で、本当に常時殴られていたかといえば、そうとも言えない気も。
しかも井川氏に至っては子供の頃から殴られるようなことを結構してたんじゃないか、疑惑も。
現在70代の林原氏の父親も育てるとは殴ることだと信じて疑わない世代だし。
ただ、彼らの中にある「父親」は相当なもので、それってその後の人生に関わってくるのかなあ、などと、
私は「母娘」対立より深刻なのは「父息子」対立の方だと感じているので、なぜ精神科医はその問題をもっと大きく取り上げないのか、
「育メン」が一般化するなら「母娘」対立を煽るよりもオトコの子育てをもっと考えてアドバイスするべきじゃないか、
こじれると母娘以上に面倒な気がするなあ。
私の娘たちは二人共、高校で特進クラス(という言い方はしないが)に在籍して、そこで出会ったのが息子の教育に異様に熱心な父親たちで、
「あんた、そりゃー無理」ってなことを息子にも担任にも言ってたわ。
高偏差値高特有のことらしく、それでうまくいく息子もいれば(だいたいそういう父子は瓜二つ)、完全に息子が萎えてる場合もあったりして、大変気の毒。(息子が)
息子育てに熱くなる父親というのは決して悪いものではないと思うものの、外した場合が双方ともより不幸、というか、難しい気がするのだよなあ、、、父親は母親と違うから。
愛情の示し方、受け取り方に齟齬があった場合、その後の人生も左右するような、
とは言っても、短絡的に父親が悪いというのではなく、もっとうまい橋渡しがあるんじゃないか、と私は思う。
少なくとも、日本のふたりの事業家はそれぞれの父親も含めてやはり普通よりはるかに出来のいい人だしね。
母親するのも難しいが、父親をするのも大変なのよ、という話。(か?)
ハヤシバラは弟の本が借りたかったけれど、貸出中。とほほ。