「女子マネ」蔑視と「家事労働ハラスメント」

というのはよく似ているなあ、と。
少し前、夫の家事にダメ出しすることを「家事ハラ」と称して、その言葉を作った人が「間違って使われている!」と遺憾の意を表明していたが、
「家事労働ハラスメント」とは言葉を作った人の定義としては「家事労働をやたら美化することもまた貶めることもハラスメントである」で、
つまり、この度の女子高生を賞賛するのも、貶めるのも、「家事労働」的なものへの暗黙の蔑視感が両側にあるのだよね。
その尺度はどこか「男のもの」なのだよな。
私は自分は自分なりにフェミニストであると思っているが、
別のフェミニズムを標榜する人の視線が男の視線を借り物のメガネのように使っている部分があるのに違和感がある。
その尺度は、そもそも「男物」でしょう、と、ま、そういう考え方自体が、男女差別である!と指摘できるが。
「歌舞伎の舞台裏を支えるのが好き!」という女子は多分容認されても、「甲子園球児の面倒を見るのが面白い」は批判される、
そういう別の意味での差別を感じたりして、やな感じ、他人の趣味に文句を言うなよ。
この度の女子マネバッシングに関するブコメを読んで、いちいちカチンと来たのが、
「おにぎりは別のところに発注しろ」なんだが、その発注数を確認して、引き取り、支払い、をするのは誰なのか、
(しかも、毎日であっても発注数は必ずしも一定ではない、欠席者の分をどのように扱うか、を誰が決めるか)
たとえばコンビニに発注したとして、その莫大な数のおにぎりのフィルムゴミを回収するのは「誰」か、
(選手一人ひとりが片付けても、結局は大量のゴミが毎日出る)そういう細かな「仕事」は「誰」がやるのか。
一番確実で経済的なのは、生徒にコメを一定数持ってこさせるか、部費で一括して米を買ってその日、その日におにぎりを作る、
「衛生面が!」というが、一定時間、一定の人間がそれに専念すれば衛生面はそれほど問題にはならない、
スポーツ系部活の具体的な場面を何も知らない人間が勝手なことをもっともらしく言いやがって、と一番、腹が立つのはそこか。
「こうしろ、ああしろ」の一見具体的な意見は突っ込みどころが満載、仕事を増やしてどうすんだ?ってのが見えてない、
要は「俺、私、の気にいるような仕事をしないと認めてやらないぞ!」と「恫喝」しているんだよね。
これは女子高生の進路への擁護というか、背中からの弾というか、「AO入試が」ってのを見たが、
AO入試」がどんなものか何も知らない人間が言ってるな、と、必ずしも自分の行きたいところにそれがあるとは限らない、
あっても激戦がほとんど、まともな大学は必ずしも簡単に入れるものじゃないからね。
とにかく、実体験のない人間がもっともらしくああだこうだと言いたがる、とかくネットはそういうところだが、
もう現実に存在する子供にあれこれ言うのはやめないか、楽しく青春してるね、でいいじゃないか、
いちいち女子高生の言動をあげつらってジェンダー論でぶった切るのはやめないか、と、実はかなり怒っている私であった。
娘の友達にマネージャー業が好きで好きでたまらない、面白い女の子がいるんでね。
彼女はマネージャー業をするにあたって、いじめにあっていた。心丈夫な子なので、負けなかったが。
時々「正しい」って本当に「正しい?」と思うわ。