テレビ雑記。

「八重の桜」を録画で見ている。
二本松の悲劇に続いて、有名な白虎隊、いよいよ会津戦争も佳境に。
で、松平容保役の綾野剛くんや、何よりその姉姫役の稲森いずみ!この人にこんなに萌える日があろうとは!!
篤姫」でも怜悧なお局様役が絶品だった、この人のように非の打ち所のない美貌の持ち主は時代劇がハマるなあ。
ママになってもやはり美しい黒木メイサも、その他、すべての俳優陣は完璧に素晴らしいものの、
一度、主人公が出てきた途端に、すべての緊迫感がさっくり破られる。
これがかつて「ガラスの仮面」で読んだ「舞台荒らし」というものなのかしら、、
もう場面が、「土曜ワイド劇場」並みに「落ちる」って感じ、たったひとりの「主人公」が全てをぶち壊しにする、演技力、おそるべし。(違う)
かつての上野樹里ちゃんほどではないけれど、「わたすが会津を守る!」とか叫ばれた瞬間から、すべてを台無しにする、
「お前はアホか!」と叫びたくなるわ、もともと、私は「守る!」とか叫ぶ人間が大嫌いというのがあるんだろうが、
あんた、最先端の技術に触れる機会があって、装備の点でも「負ける!」がはっきりわかる程度に頭も悪くはなかろうに、
「わたすが敵をうつ!」とか「守る!!」とか、もう「お前は「○特会」かぁー!!!」と切れそうになるわ。
本当の八重さんってこんな人じゃなかったんじゃないかな。
上野樹里ちゃんの大河の時も思ったんだけど、この状況で、こういう育ち方をしてきた人が、こんな反応をしてきたかな?
というちぐはぐ感があるんだよ、
もう、無理やり上野樹里ちゃんや綾瀬はるかちゃんのもつ「イメージ」に「人物」を押し込もうとする、
上野樹里ちゃんの徳川秀忠の妻(そういや、会津藩はこの秀忠の隠し子と関わりがあったな)も、
今回の綾瀬はるかちゃんの新島八重も、過酷な時代を当時の女性として否応なく生き抜かなくてはならなかった、
そういう場合、女性はひたすら寡黙で、人に自分の心の内を見せることはなかったんじゃないか。
自分の意見をはっきり示さないだけに何を考えているかわからない、一見、従順に見えながら、
こうと思えばてこでも動かない、何も言わない人の考えを覆すことはできないんだよね、
その内に秘めた剛健さは、自分の意見をペラペラしゃべるような軽い人間には決してない。
そうやって、ひたすら自分を自分で守り続けてきたから、生き抜けた。
今の綾瀬はるか・八重は、いかにも、「男勝りで明るくて、ハキハキした」まあ、素敵、かつての朝ドラヒロインかしら?ってな、
実在の人物の半生を丹念に追えば、「本当にこんな人だった?」てな疑問がこちらにはわく、
全然説得力のない反応をそれなりの場面に唐突に放り込まれても演技をしている人が悪いのか、の印象になってしまう。
新島八重さんは、会津戦争まではひたすら耐えに耐える、
戦にも、確実に「負ける!」ということを知っていても多くの人たち同様、盲目的に従った、自分の感覚を犠牲にしながら。
「ハンサムウーマン」と呼ばれるまでになったのは、もともと、実家でも自由奔放に自分の意見を言えてきたからではなく、
過酷な経験から、「生まれ変わった」からなれたんじゃないか。
ま、なんにせよ、よく言われる「脚本が悪い」なのかな、
つか、NHKが大河にかつての「朝ドラヒロイン」を無理やり盛り込もうとするのが悪い、という気がする。
脚本でおかしいのは、主人公の人物造形だけだものな、「明るく、ひたむきで」みたいな、
今の朝ドラの「あまちゃん」も、一応そういう方向ではあるものの、何かあれば、手放しで「ふえーん!」と情けなく、泣く。
この「説得力」には勝てないわぁ。
新島襄」役のオダギリジョーの出番が少なくなるそうだが、いっそ、群像劇として、八重さんの出番も極力抑えてみてはどうか、
と思うのでした。
もっと出すべき人物は山のようにいるものな、稲森いずみ様の「照姫」様はその後どうなられたのかしら、、とか。
テレビばっかり見てんじゃねーよ!と自分に突っ込んで終わり、といたします。