読書メモ・西原理恵子「生きる悪知恵」

副題が「正しくないけど役に立つ60のヒント」
いやー、笑える。朝日新聞の「悩みのるつぼ」もこれくらい笑えたら楽しいのに。
西原理恵子さんをこよなくリスペクトする高2の娘が拾い読みして「西原さんはやっぱりすごいねえ」などと、
お年頃の娘さんが読むには「彼女のあそこがくさいです」なんてのもあるので要注意。ウチの子は多分とばして読むと思うけど。(そういう年齢)
私としては娘には「はじめに」だけをきちんと読んでくれればいいかな。
「日本人って「正直であれ」とかよく言うけど、マジメすぎると生きづらい。もっとウソつきでいいんじゃないかと思います。
私がこれまでマンガ家として生き残って来れたのは、正直じゃなかったから。ウソをつくのを悪いと思っていない」
これを教えてくれる人はなかなかいないわぁ、、特に世間で名の知られた人で。金をそれなりに稼ぐ人で。
「正直じゃないから生きてこれた」とは名言だわ、結局、「誰に」「何に」たいして「正直」でなければいけないか、
これをきれい事ばかり言う世間は教えてくれない、実際社会に出て体で学ぶしかないんだよね、
そして「たてまえ」ばかり教えられて育った人間は無駄に傷つく。また「心の病の人を守れ」なんて人間にさらに食い物にされる、いやー、社会って怖いわぁ、、
本の話に戻れば、数々の具体的な悩み相談に対して西原さんはご自身の意見を語ってくれるのだけど、これを読み飛ばして結論の「シメ」台詞だけを読んでも良い、
きわめて簡潔に、素晴らしいお言葉を発しているので。
娘が面白がったのが、相談19「夫の前妻の子との距離感がつかめません」、結論は「子どもを3〜4人産めば距離もクソもなくなります」
基本、西原さんは「ぐじゃぐじゃ悩んでいる「ヒマ」があったら行動しろ!」を人生訓にしているようで、これに同じ中年女の私も賛成、
恐ろしくくだらないことで悩んでいるいい歳の人間を見てきたものねー、そして悩んでいる自分に酔っている。(主に女に多い)
つい先日「夫が私を愛しすぎているのを知っていたから、私は子供を作れなかった、、」なんてことを50すぎの更年期おばはんから聞かされたわ、いやはや、人生って辛い。
西原さんは「とりあえず女は産めるうちに子どもを産んでおけ、それでたいていの悩みは解決」って感じで、これは一面の真実でもあるけど、
それをはっきり言ってくれる人はやはり西原さん以外にはいないなあ、と感心したのでした。
すぐに読めるのでおすすめです。