感想。

アバター」を見た。
先住民族が勝ったアメリカ、ッて感じ、こんなもの、「アメリカ人」の代名詞みたいな映画監督が作るのってなあ、、、
シガニー・ウィバーと3Dが好きなダーリンにせがまれていったけれど
私は「鷹の爪」の方がいいなと心から思った、「地球に優しい世界征服」の方がいい、日本とアメリカは違うのよ。
確かに、先住民族を殺しまくる戦闘シーンはスペクタクル、
でも、あの情け容赦なく力を使うシーンは、かつての東京大空襲や、ついこの間のアフガニスタンイスラエル
そういうのを思い出させて哀しくなった、奪われるのは、命だけではない、文化も共に奪われると、それは映画でも描かれている、
でも、それがわかっていて、なお、なんでこんな映画を作るかな?奪ってきた側の人間でしょうに。
「卵の側に立つ」の例えを使えば、卵も、卵のがわに立つ人も、全てを焼き尽くす、
卵がそこにあったことも、卵を大切に思った人も、それが「なかった」の感覚すらも奪っていくのが圧倒的な力、
「勝つ」ものは「負ける」ものの悲哀がわかっていない、勝ち続けてきた国の薄っぺらな「正義」が鼻につく、
弱きものが力を合わせて奇跡的に「勝った」なんてのは夢物語、
現実は名もなき人々が声もなく消えて、その上を力を持つものが踏みつける意識もなく歩いていく
そうやって繁栄を誇ってきた「アメリカ」だから、こんな映画も出来る、
弱いものを徹底的に押しつぶして「弱いものはすてき」とは、ドンだけ、人間を「消費」しつくすんじゃ、みたいな。
もう、この感覚に関しては、あまり言葉がないわ、偽善もここまで来ると芸術、は認める。
アメリカが負けたことのない国だってことはよくわかった。
オチは、「ナルニア国物語」だな、私はそもそもナルニア的な最後が好きではないものな。
ストーリー自体は、それはそれはロハスでねいちゃあでエコロな話でしたわ、、(遠い目)
実に「都合」のいい「自然」、
主人公が「生まれ変わる」うつわも、元々は最新科学で作られたものだし、しかも突然亡くなったお兄さんのお下がりだったりもする、
それが「母なる大地」には無条件に受け入れられる、「そのままのきみでいいんだよ」、「愛」と「勇気」があれば、全ては解決、ってか?
なんか、適当に「科学」と「自然」の「共存」を掲げて、ものを売りつける怪しげな集団を思い出した、アメリカ的「自然」ってこんなものか。
愛される自然の条件とは、どこまでも人間に「都合がいい」なのね、、、
ま、もともと3Dを楽しむため「だけ」の映画だから、ストーリーなんかあってなきがごとしでいいのよ、文句を言う方が間違っている!
しかし、私の近所の映画館ではあまり評判のいい方式のものが採用されていないんでなあ。
「まるで中に入ったみたい!」な3Dを見てみたいわぁ。
なんでアメリカが考える「まざーねいちゃあ」世界ってのはラッセンの絵みたいなんだろうな、毒々しい蛍光色、ちかちかで。
ラッセンの絵の中に入っても、なんとも思わんのだろうな、と、相変わらず、腹の黒い私なのでした、おしまい。