「鷲は舞い降りた」・感想。

トランプ大統領就任式のさなかにこのような映画感想を。最近、書いてないと忘れるのでな、、、(涙)
以前からタイトルだけは知っていたが、小説も映画も見たことがなかったのでCSで録画。なぜか、今CSはよく戦争映画をやってる。
昔の大作映画も良いなあ、映像が古くても十分楽しめる。
マイケル・ケインの他人を小馬鹿にしているかのごとく整いすぎた美貌が味わい深い。
長らく「ゴッドファーザーの弁護士の兄ちゃん」としか認識していなかったロバート・デュバルの演技も深い。
驚かされるのが、ドイツ軍が主人公でドイツ兵に好意的に描かれている作品であること。
マイダーリンいわく「原作に忠実」だそうで1975年に発表された小説にしては、珍しいんじゃないか、
私の「ドイツ軍」イメージはアメリカ映画の影響を受けて「ナチで残虐」だからなあ、アメリカ映画ではそれが特に顕著らしい。
アメリカ映画で「ナチ」が恐るべき敵として描かれた理由は町山さんか柳下さんの解説で読んだことがあるが、忘れた。(涙)
なんにせよ、ドイツはかつての日本の同盟国であったのに戦後生まれの私世代は素直にアメリカの影響を受けている。
数年前から「刑事フォイル」の影響でヨーロッパ戦線ものを当たっていると、
意外に「ヨーロッパ出来」の戦争映画はドイツをさほど悪く描いていない。
これはドイツ人も見るからなのか、それともやはり「パン・ヨーロッパ」の意識があるからか、ものによればナチスすらも人間として扱っている。
ここがアメリカ映画とは違うなあ、「地続き」って大切なのかも。
作者のジャック・ヒギンズはウィキペディアをみるとアイルランド系なので戦争中、一応アイルランドは「中立」であったものの、
「英国、憎し!」でドイツ寄り、親・ナチだった説もあり、そうなる理由は歴史を見れば十分わかりすぎるので、それもあるのかな?
ここ数年、戦後すぐに出来た第2次世界大戦、ヨーロッパ戦線ものを見ると、ドイツ軍、ドイツ兵を好意的に描いた作品が多くて、
日本人の私は驚かされることが多い。
ドイツ兵は勇敢で有能だったとか、礼儀正しかったとか、これは戦後ヨーロッパを闊歩したアメリカ兵への反感から出ているものか、
「傍若無人な米兵より、まだドイツ兵のほうがましだった」感がうっすらとヨーロッパ人にはあるんだろうか。
再々、米兵による暴行事件を見聞きする日本人の私にもわかるわぁ、米兵、数が多いので、ろくでもないのも多い。
英国には「親・ナチもいた」と「刑事フォイル」では描かれているので、そうなんだろう。
調べていると退位したウィンザー公爵が「親・ナチ」だったのは本当のようで、
いやー、この人がシンプソン夫人と結婚してくれてよかった、なんて思っちゃったよ、「王冠を賭けた恋」は美談とはいえないかも。
考えてみれば、歴史は偶然の連続で出来上がっていたりして、
20年前に、整形ばればれのイヴァンカ元夫人(美人で有名なお嬢さんの実母)をつれた俳優のようなドナルド・トランプ
「将来、大統領になる」と言われても信じられなかったものね、歴史の奇妙な偶然は、必然なのか、どうなのか。
とりあえず、有能なドイツ兵が真面目にがんばったのに報われないお話でした、面白かったです、でしめるのであった。
この作品では、アメリカ人のあほな上官が下士官の忠告を無視してつっこんで、あっさり女に殺されるのがなんとも痛快だった。
それ以外では、米兵にも「リスペクト」のある作品でした。
アイルランド人だから「戦うもの」への尊敬の念が常にあるのかも。そこには大いに好感が持てたので、原作を読んでみよう。