女子力?

最近「女子力」なる言葉をよく見かけて、資生堂のコマーシャルでもコピーに使われてたり、市民権を得た言葉らしい。
ネットでもその「力」に関するあれこれを拾い読んで、あれれ、これは「媚び力」ってことかな、どうも定義がつかめない。
多分、その「力」が振るわれる対象によって意味がかわるんだろう、「男子」に向けて発せられるときは「媚び力」になるだろうし。
ちょうど高2の娘がジェンダーに関わるお悩みをもつ年頃で、
例えばクラスの女の子で男の子に話しかけるとき、声のトーンが変わる子がいるとか、
私としては「くすっ」で、あー、我ながらがら、イヤな母親だよなあ、な返答をしたりする。
「その相手の男の子が好きなの?」
「違うよ、そんなんじゃない」
「じゃあ、いいじゃん、好きにさせておけば」
「でもなんで男子にだけ態度をかえるんだろう、そういうのって何となくいやなの」
「そうされた男子はどういう態度をとってるの?」
「それぞれかなあ、、よくわからない」
「声が変わる子が嫌いなの?」
「そうでもないんだけど、、、何となくイヤだなあ」
まー、同級生の中の「女」に敏感に反応しているというか、この対話を続けていて、娘が出した結論は
「自分が同じことをしたら、絶対、他の女の子から何か言われてしまう、嫌われてしまう、だから出来ない」だった。
ふむふむ、他の女子の目がこわいわけだよな。
「となると、やってる女の子は勇気があるよね。他の女の子から嫌われるのにやってるわけだから」
「本当にわかってるのかなあ」
「「天然」だったら、それは責められないんじゃない?」と、本当は娘が同調して欲しがってるのはわかってるんだけどね。
こんなことをネットで書けば叩かれるんだろうな、と承知しながら書けば、私の考えは「媚び力」はとりあえず磨いておけ、なんだよな、
以前、同じような話をしたときに、娘に「媚びは売っても減らない」とか、「媚びを売るのはただ」「媚びは技術」
みたいなことを言って、煙に巻いたことがある。
「媚び」でなにがえられるか、決してそれを売る本人にとってよい結果ばかりを招くわけではないんだよね、
それでもやり続ければ、何かが見えてくる、他人を動かすにはなにをすればいいのか、それも「練習」なのよ、
「媚び」も他人を動かす「力」の一部でしかない。
私が娘に知っておいて欲しいのは「媚び」を売ってる(らしい)人間を変に意識するのは、自分自身の否定につながること。
自分がしたくても出来ないことをやってる人に反発することで自分自身から逃げて欲しくないんだよね、
「媚びてる!」と相手を見下すことで自分は優位にあるかのように錯覚する、
でも本当は、やってる人間よりずっと自分の方が下にいるんだよ、やりたいことをやれていないんだからね。
こういう女の子にありがちなぐちゃぐちゃは早いうちに卒業した方がいいと思うな。
ま、早めに自分の中で結論が出た娘が「媚びてる子は許せない!」的な醜さに傾くとは思えないんで、大丈夫だと思うけど。
私は、持てる「力」はなんでも持って損はないんじゃない、と、つい考えるんで、
私の「女子力」定義は、こういう考え方そのものだったりする。
人それぞれの「女子力」、がんばって生きていきましょう。