山田昌弘 「パラサイト・シングルの時代」を読んだ。

10年前、話題になった「パラサイト・シングルの時代」を読み終える。
「結婚」って結局「経済活動」なんだなあ、、、「ちゃんと結婚しないから、世の中が儲からない」みたいなことを書いてある本だったような。
と、言われてもなあ、、、なんて未婚者は「とほほ」になってしまうみもふたもない内容、
まあ、確かに優雅な「パラサイト」はいたんだろうね、最近は「ニート」の話しか聞かないが。
「経済を停滞させないためにも、結婚して、子供を作りなさい」とはある意味正しい意見なんだけど、
なんで最近「就職活動」=「就活」に似せて、「婚活」=「結婚活動」(?)と言われるのかわかった気がする、
「働かないと」「結婚しないと」(この社会で)「生きていけないよ」ってことなんだろう、いやはや、「フェミニズム」って、本当、無力。
何がなんでも結婚させなければいけない圧力の理由はそれなりに理解できるので、話題になったのもよくわかる。
ただ10年経って、今、どうなっているのか、その優雅なパラサイトは結婚したかどうか、
する人はしただろうし、しない人は相変わらずしないだろうし、
自称「負け犬」の酒井順子さんは確かご実家に未婚のお兄さんと共に、ずっと住んでいたとか、
でもそうすると「兄が結婚できないかも」と家を出たと、どこかに書いてあったのを思い出した。
お兄さんがどうなったかはともかく、酒井さんはまだ独り者だしなあ、優雅に「お一人様の老後」目指して邁進中、
そう言う人に向けてこんな本を書いてもちっとも役には立たなかっただろう、主にそう言う人向けに書いたのに。
「お金がなくて結婚できない」向けではないしなあ。
「何がなんでも結婚したい!」と「何がなんでも職が欲しい!」とはよく似ている。
本当に「相手が誰でもいい」から「結婚したい」人であればどんな人とでも結婚してそこそこうまくいくだろう。
就職も同じ、「どんな仕事でもします!」の覚悟のある人ならば、どんな仕事についてでも、何とかやっていける。
でも、そんな人ってめったにいないよ?それにそんな意志の強い人はそれなりの相手が必ず見つかる、「誰でも」では結局、ない。
就職でもそう、「何でもやります、何でもやれます」な人は最終的には自分がやりたいことをやってる、何とも皮肉な現実。
たいていの人間は、やはり相手との相性があるし、仕事と同じく「向き」「不向き」、それを責められても困るわけで、
何がなんでも結婚させなければ、就職させなければ、と周囲が意気込んでもどうにもならない。
今、時々、ニュースで、「仕事がない、なんて言ってるけど、仕事はあるよ」とか言ってるけど、ああ、これって結婚に似てる、と、
すぐ別れる結婚ならしない方がマシじゃないのか、あわなくてすぐやめざるを得ない仕事ならば就くのも躊躇するだろうに、とか思っちゃったなあ。
大体、人手不足には「理由」があるものだしな。その「理由」が我慢できるんだったら、無職になんてなってないんじゃないかね。
とか言うことをだらだら考えながら読んだ本でした、話題の本は10年寝かせて読むと感慨深い。