NHK朝番組を見て。

昨日、NHKの朝番組で澤地久枝さんが細谷亮太さんと対談しているのを見て、澤地さんの著作を読んだことがないけれど
ちょっと、この人は嫌だな、と。
澤地さんが病院で、子供に薬を無理矢理飲ませようとして子供を叩いた「金髪」の多分「ヤンママ」に意見した、
「赤の他人の子供を可哀想だと思って注意してやったのに猛反発された(意訳)」と言う話をしていて、
この人は、この「かわいそうな病気の子供をかばう私」だけが大事なんだろうな、と思う。
もし、本当に子供がかわいそうならば私はこんな風にいきなり相手を非難はしない、
まず、「おくすり飲ませるの大変そうだね、お子さん、どこが悪かったの?」と、たずねる。
ただでさえ気が立っている若い母親に「あなた、子供がかわいそうだと思わないの?」と居丈高に、周囲の目がある前で怒ったりは決してしない。
まるで親に恥をかかせるがごとく立ちふさがる見ず知らずの存在を子供がありがたがると思うんだろうか。
確かに病気の子供が薬を飲まないからとキレて、がつんと殴る母親はひどい。
それでも病院に連れてきて薬を飲ませようとする、私はその一点だけでも金髪ママは子供が大事なんだと信じる。
子供が病気になれば親は心配のあまりいらいらすることもある。そのいらいらを増幅させるようなことをして、
「子供がかわいそう」と言っても全然説得力がない。
他人を動かそうとするならその人と上手にコミュニケーションをとる方法を考えるべきだ。
「お薬をのませるんだったら、もっといい方法もあるよ」とか、雑談で声をかける方法が思いつけないのなら
はじめから自分の「正義」だけを振り回さないこと、結局「かわいそうな子供」に何も出来ていない。
番組を見ていて不愉快になったんで、育児中に大変その著作でお世話になった細谷亮太さんとの対談だったが消してしまおうかと思った。
(が、腹が立ったんでつい最後まで見た)
番組の「しめ」では「お母さん力が大事」と言うことだが、澤地さんのような、他人に配慮できない人にそんなことは言われたくないな、
「あなたにはコミュニケーション力が足りませんよ」とテレビに向かって言っちゃったよ、ああ、私もおばさん。
いらいらしている人に声をかけるのはとても難しい、知らない人ならば余計に。
それをしなければいけないと思うのなら最善の方法を考え出すべき、
自分の言うことを聞きそうにない人だと思ったのなら、せめて小児科の看護婦さんのところに行って、
「子供にお薬を飲ませにくそうにしている人がいます、何かアドバイスしてもらえませんか」と頼むとか、
子供を楽にしてやる方法はいくらでもあるだろうに。
「警察を呼びます」と反発されたことは相手もやり過ぎだと思うが、それに徹底抗戦するとは、
その場にいた肝心の病気の子供はどうしていたんだろう、
具合が悪いから病院に来ているのに子供は本当に迷惑したことだろう。心の底からその場にいた子供に同情する。
澤地さんが高い評価を受けているのも、戦死した父を持つ私の母が愛読している1冊を書いたことも知っているが、
この番組での独善ぶりには辟易した。
薬を飲まないからと子供を殴った母親と、「子供がかわいそうだから」と人前でその母親をいきなり非難した澤地さんは、やってることが同じだ。
「こんなあなたの子供のために「この私」が叱ってやっているのよ!」みたいないい方は、相手を完全に見下している。
見下してくる相手の言うことを素直に聞く人間はまれだ。そんなこともわかっていない、まるで上坂冬子を見る思いがした。
番組ではアナウンサー達が少々引きながらも上手に締めくくっていたのが痛かった。お仕事って大変。
とか言いながら、私もこらえ性のなくなった年寄りを受け入れる度量がないような、気をつけよう。