読了。

本田由紀さんの本を読み終える、「はぁー」って感じ、切なくなったなあ、、、
特に気になったのが「男の子を育てるお母さん」の話。
「ちゃんとしなきゃ」「将来のことも考えて」と、とても気を遣ってる、、読んでいて、辛くなる。
インタビューを受けた男の子の母親(大卒、パート職)の一人が息子の「理想」として、
かつて働いていた職場の有能な上司をあげていて、これが印象に残った。(p98〜99のインタビュー)
息子に「お父さんのようになりなさい」とは言わない、つまりそれは「言ってはいけないこと」なのかな。
息子の父親が素晴らしい人物だったとしても「お父さんのようになりなさい」とは言えないのが今の世の中の息苦しさのような、
決して押しつけるわけではない、でもそれが息子への「重荷」になってしまうかもしれない、と考えてしまうのが
今の「情報」に敏感な母親ならでは、かも。「知識」が自分の首を絞めてしまってる気がする。
子供にとってはいっそ「お父さんみたいな人」がわかりやすくていい時期があるんじゃないかな。
かつて知っていた「有能な上司」が本当に有能だったかどうか、結婚前のまだ新人だった頃に見えた「有能」さは「印象」だけかもしれない。
それを息子の将来像に投影するのは「無理」がないか?と私には思える。
ただ、その「理想」を目指すやり方が手探りであっても、母親達は懸命で真面目で自分が感じた「有能」さを実現するために
何をしたらいいのかよく考えていてその答えが間違っているとは言えない。
様々な人間が「母親」になって、でも世の中が求める「母親らしさ」は画一的で、いい加減で、「どうしたらいいんだよ!」と、
声にならない声を上げている、インタビューの数々からそう感じた。
男の子ばかりが育てにくいというわけではないけれど、母親が異性を育てる、とは同性を育てるのとは違う苦労があるようだ。
父親1人が娘を育てるのが物理的に大変なのと同じだろうな、、、
先日書いた、仕事を辞めるかどうか迷っている従妹も今年小1になった一番上が男の子で
「男の子だからこそ、失敗は許されない」と思い詰めているようで、その責任感がかえって子供を圧迫しそうな気がして、
どういうかたちになるにせよ、仕事は続けていた方が自分のためにも、子供のためにもいいように思う。
夏にまた会うので、今度はもっとゆっくり話を聞こう。
本田さんの本は面白かったです。