SSHの実態(?)

ウィキペディアSSHの批判部分を読んで、ちょっと不思議に思う。
まず、「文部科学省公認の「理数エリート養成校」ではないか(良い悪いに関らず)」だが、
これは「理数エリート養成校」と言うほどのことを私の子供の学校ではさせていないのであたらない。
もう一つの批判、「ゆとり教育など全体の方針と矛盾している(現在では方針は転換しつつある)」と関連するが、
そもそもSSHの特別活動はむしろ小中学校の「総合」科目の「仕上げ」だ。
特別に「理数系エリート養成」と言うほどのことはしない、
これは学校によって違うのではっきりしないが、SSHを進学優先校と思うのは間違いだ、
元々進学校の中から選ばれているのは確かかもしれない、でももし進学の方を優先したいのならSSHを私はお勧めしない。
これ、という大学に行かせたい気があるならやはり中高一貫校が最も手っ取り早いだろう。
SSHでは、学校が子供に「やらせるべき」特別活動のほうが多いので受験勉強の時間は削られる、
いわばクラス全員でひとつの部活動をやっているかのようだ、その部活動はいまだ旧体制な大学受験の役には立たない。
このシステムを理解できている保護者がSSHに多いかどうか、まだ交流がないので確かめられていないものの、
同じ高校の普通科では「SSHはそれほどすごくない」のうわさがあるらしい。
確かに今のところ、うちの高校のSSHから進学した大学は田舎ものの目で見るとぱっとしない、
やはり田舎では旧帝大のたった2校だけが「優秀」と認められるのでたとえば大阪や東北の帝大に行っても
「ふーん、「とーだい」じゃないんだー」のようないわれかたをしてしまう。
とは言うものの、私の身内の話によればたいしたものだ、今、理系はそこのほうがずっと優秀、だとか。(本当か?)
SSH批判に話を戻すと、的をいている部分もあるが教育現場の、
特に地方事情をよく知らない人が先入観だけで「理系エリート養成!」と思われては困る、
公立中学出身者ではそこまでのレベルにいたるほど理数教育を受けられていない、
本格的な研究にもふれる機会がかけらほどもない
それを補うために一般庶民の子供に少しでも「科学」にふれてもらう、がSSHではないか、私はそう思っている。
子供達が小学生の頃、時々教育委員会ご推奨の様々な行事に申し込んでは参加したが、あれを学校でやっているようなもので
このあいだは、とある大学の研究室で漢方薬の軟膏をみんなで作ってかえってきた。
今度は化石を掘りに行く、休みの時は遠いところの大学を見学しに行く、程度の研修内容で
果たしてこれで「理系エリート」が養成されるのかどうか、子供達は楽しんでいるからいいのかな、と
特にうちの子は高校に入って幸せそうだ、「すごく楽しい」と、喜んでいる。
大学の研究にふれる機会など公立校にいる限りなかなかないものだ、批判はもう少し様子を見てからにしてもらいたい。
でも文科省は「お金がない」ので、「批判」部分を巧みに利用してそうそうになくす予定だの噂もチラッと聞いたので
「教育」の結果が出るのは少なくとも10年後、もっとおおらかな心で国には教育事業を進めてもらいたいと思う。
「批判」は結局、都合のいい「口実」に使われてしまうんだよなあ、、、それを批判する側は忘れて欲しくないな。