世間の話。

何か事件がある度に私の周りの男の子をお持ちのお母さん達は「うちの子がこんなことをしたらどうしよう、、」と不安がる。
「育つにつれて年々靴が臭くなって玄関に「銀イオン」の消臭剤を置いてみた」なんて笑いながら話す母親でさえ
「うちの息子がこんなことをしたらどうしよう」と真剣に話す。
「うちも男の子二人だから、人ごとじゃない」と加害者の家族構成を知っているのには驚かされた。
加害者になる確率よりは被害者になる確率の方がずっと高いんだからそれを心配したら、と言っても納得しない。
また、被害者の親御さんに対してあふれんばかりの同情心を持っているのに、
公に引きずり出されて謝罪した加害者の両親も同じように哀れに思っている。私も実はそうだ。
親になれば、決して他人様の教育方針になどつっこみを入れるなんてことは出来なくなるものだ、
子供に真面目に向きあえば向きあうほど、親として子供に対峙する難しさを知る。
たいていの親はどんな親に対してでも「お互い様」の心を持っている。
腹を立てても振り上げた拳は自分に返ってくる、「まとも」な人間ならそのことがわかっている。
ネットには、「加害者の親を血祭りに上げろ!」と平気で言い放つ人がいるらしい。
これほどご立派なことを言い放つ方の「タネ」がどこにどのようにとんでいって素晴らしい「花」をさかせたのか、
私はこの方を読んだことがほとんどないので知ることもないが、
現実世界のものを知らないおばはんでもここまでひどいことは言わない。
この「世に倦」んでいらっしゃるのなら、とっとと「昇天」のご用意でもなさった方がいいのではないか、と心から思う。
ネットで特に思うのは、精神科の先生のお話や本を少々聞きかじった程度で「親の在り方」を云々する人間が非常に多い。
精神科の先生方が職業柄、日常的に対峙するのは現実社会で飛び抜けた「とんでも親」で、
めったにいないから専門の先生にかかっている、そして先生は毎日そういう方々に接するので悲観的にもなる。
親の在り方について神経質になってしまうのは「職業病」だろう。
また、まともな先生であれば直接カウンセリングを行っていない相手を「診断」するのは避けるのが医師としての「良心」だ。
決してネットで拾い読んだだけで「この親はとんでも」と決めつけることはない。
にもかかわらず、にわか仕込みの「親の在り方先生」がどれほど多いことか、
特に子供を持つ親であればそれだけで批判に値すると思われているかのようだ。
ネットの揚げ足取りの精神が現実世界にまで波及して、罪のない親子関係まで脅かしているように私には思われる。
それでもやはり無心に子供を育て、大きな事件に巻き込まれることもなく子供は成長するだろうけど。
私はもう少しほとんどが善良な親の側に「余裕」を持たせたいといつも思う。
それが最終的には親を叩くことで溜飲を下げる人の首を絞めない最善のやり方だろう。
ネットで経験していくつかわかったことがあるのでしばらく書くことにする。
(追記)
ところでこちら(http://d.hatena.ne.jp/takopons/20080616/1213556400)の
要約すると、「僕の選んだ人の罵倒は罵倒ではない」論が面白かったのでコメントをさせていただいた。
なるほどなあ、、、