PTA活動を思う。

朝日新聞で最近時々PTA活動の話題があって、今回「耕論」「PTAを考える」と3人の識者の方がそれぞれ意見を出されていて面白かった。
話題の和田中の地域本部事務局長、全国PTA問題研究会事務局長、大坂大大学院教授、でどの方も納得させられるご意見をお持ちだ。
特に私が深くうなずいたのが大阪大教授の小野田正利さんの意見、
「今は単なる少子化の時代ではない、合計特殊出産率が低下する一方できょうだいはさほどへっていない。
つまり、子供のいない家庭が増えたのです。
すると子供の声がしただけで「うるさい」と迷惑がられる。「子供が大事」と旗印にされながらその存在は疎まれています」と、本当にその通り、
子供が犠牲になる事件があれば「かわいそう」「親は何をしていたんだ」と一斉に意見を表明するわりにその辺にいる子供達には無関心、
どころか手厳しい。現実の「子供」というものを知らなさすぎる人が多すぎるとネットでも私はいつも感じる。
小野田さんはPTAの地域社会での在り方などもよくご存じで、前身は現役の小学校教諭だったんじゃないか、
具体的にPTAが地域活動に何かもの申す、とやったところで妙な横やりが地元の町内会から入ったり、
そういう諸事情もよくご存じのようなので、わかってくれている人はわかっているなあ、と、うれしくなった。
小野田さんは学校への「いちゃモン」を研究されているそうで、それでも「モンスターペアレンツ」という言葉は使わない、
「人格否定の言葉が相手に伝われば理解し合うことが不可能になるから」
「学校の落ち度があっても「あの人はモンスター」とレッテルを貼ることで先生が無反省になるから」とよく理解してくれている。
「困った親は困っている親」という言葉を新聞で読んだことがあって、この方の意見だったのかな?確かにその通りだった。
「PTA役員のしんどい理由の一つは他の保護者からの突き上げです」と私は実はこれが一番きつかった。
価値観の一致がまるきり見いだせない、はじめからこちらを「PTA役員なんてやってるヒマな専業主婦!」と見下していて
何を言っても全然相手になろうとしない、文句だけは山ほど言う、あるいは返事だけよくして何もしない、言い訳だけ完璧、とか
私もなりたい、モンスター、、、と思ったこともあったなあ。ま、終わったことだけど。
数年前に私にとっては一番学校が荒れていると思われた時期、役員決めがなかなか出来なくて、
仲間内でけんか腰になったとき、PTAなんていっそやめよう、と言う意見が出されたことがあった。
そのことに関して会も設けられて、私もクレームが一番多い部にいたので「いっそなくせばいい」派だったが、
もっともきつい立場である会長、副会長の方が
「一度やめてしまうと、今度必要になって作るのに何年もかかる、やめるのは簡単、でも作るのは大変です」と言われて、
「なるほど」と思った、一時の今の保護者の立場で勝手に続けてきたものをやめてしまっては、後に来る人たちに何も残せない、
それは子供達のためにも保護者のためにもならないと、自分の世代だけのことを考えてはいけないのだと、納得した。
何でもなくせばいいってものではない、続けるために努力を重ねることも必要だ、
これは子育てにとってもっとも大切なことだと育児している親のほとんどが理解できる。
「PTAをいっそなくそう」の話はそれで収束した。私は会長さん達の意見に深く教わった。
それぞれ活動について是非は色々あるだろうけれど、参加してみることは大事だ。
覚悟をもって挑めば、考えたほどひどい、と言うこともない。(多分)
PTA活動について、その会長が何故「父親」が多いのか、あれこれ考えたことがあるので、それはまた明日。
たいしたことをしていない割りに意見だけは持っている私、、今年も部活の保護者会の役員だけで済みそうです。楽です。