「美しい国」のために自ら死ねと現職大臣が教えてくれる。

はっきり言って怒っている。こんなに腹が立つのはひさしぶりだ。
なんなんだろう、この国は、大臣が国会中にあっさりと死を選ぶ、それがこの「美しい国」のやり方なのか?
党や総理のためになら死ぬ、国政任務のさなかに。国民への責務は考えなかったのだろうか?
それよりも自らの潔白やこれからの選挙への影響が大事なのか?これがこの国のかたち、
死ねば全てが済むと思っている。その死をまた野党や世論を攻撃する材料に使うことを
この国の内閣はためらいがないんじゃないか、死を簡単に選ぶような人間を国政に関わらせたことに何の反省もなく。
これは国民に都合が悪ければあっさり死ねと言っているに等しい。かりにも一国の大臣ともあろう人間が、
ほぼ国民のトップにたったと言っていい人間が、何の成果もあげないうちに死ぬ、
ただ死ぬことだけがお国の役に立つがごとくに。こんな大臣を任命した首相が有り難くも設置した
教育再生会議が教えてくれる子育て法ってなんだ?「お国のためにせめて死ね」なのか?
大不況下にも一生懸命子育てしてきた親に向かって
「親としてなってない!」と頭ごなしに怒鳴りつけるような「親学」、
ああすみませんね、私、母乳じゃなかったです、TVを見ながらミルクもやっていました、
でも子供はすくすく育って公立中学だけど成績はトップです。将来は「検事」になりたいそうです、
「正しいことをしたい」んだそうです、私の子育てのやり方が悪かったせいでしょう、
親に全くかかわりのない司法の世界に憧れるようになってしまいました、
どこでそんな志を拾ってくるんでしょうね、赤ん坊の頃にしっかり目を見て母乳をやってなかったせい?
身内に司法界に入った人間がいないので私は反対しています。でも親の言うことを聞きそうにないです、
これは確かに育児の失敗なんでしょう。世の中の検事の皆さんはTVを見ながらミルクをやる母親に
育てられたのかもしれません、検事という職業が必ずしも正義の味方とは私は思えませんし。
この世でもっとも許しがたい罪は私は自ら死を選ぶことだと思っている。
死にたくないのに死んでいかなければいけなかった人がこの世にどれほどいることか、
世界に目を向けなくても日本国内でも、前長崎市長、愛知の立てこもり事件の警察官、
お産で命を落とした母親、小さな子供と夫の帰りを待っていた妻、有名、無名に関わらず、
死にたくなかった、死ぬなんて思いもよらなかった方々が死ななくてはならなかった、
なのに、生きていけるはずの人間が自ら死を選ぶ、それがまるで正しいやり方のように。しかも、一国の大臣が。
こんなことで、子供に何が教えられると言うんだろう、都合が悪くなれば死ぬこともありだ、と教えてくれるんですか?
名誉のために死になさい、これですか?子供に何をするつもりですか?何をさせるつもりですか?
美しい国作りのために死ぬことは美しい行為だと言うことですか?素晴らしいことです、安倍内閣の皆様方、
こんなにも子供達に雄弁な国への忠誠の尽し方を教えてくださるとは、見事なものです。
ええ、大臣の死を無駄にしてはいけません、些細な罪を辞任することなく死で償った大臣の「美しさ」を
安倍内閣が大切に扱わないテはないでしょう。大臣のまま死ねることが幸せなことだと、子供達に示すとは、
それが「美しい国作り」とは、もう腹が立ってしようがない。こんなやり方しか国民に示せないような人間を
大臣に据えた安倍総理大臣に本当に本当に腹が立つ、せめて自らは「死なない」、
これがこの世に生まれたものの責任と言うのに。こんな世の中に子供達を送りだしてしまった自分が情けない。
こんな大臣を選んだ首相が子供達の行く末を画策する。きっと「美しい国のために名誉ある死を」と。
教育再生会議の言うことなんか絶対認めるもんか!
簡単に死ぬような人間には絶対にさせない、私の教育の目標はそれだけだ。
自分の内閣の閣僚の命すら「守れない」総理大臣がどうやって子供達を「守れる」のか、
「いじめ自殺」を無くせるのか、
「末は博士か大臣か」、大臣になっても自殺するんなら子供は何を夢見ることができるのか、もう本当に腹が立つ。