「患者を生きる」を読む。

毎度香ばしい朝日新聞の医療ネタ、先日は時々読んでる産科医さんのブログの紹介をしてて、
ふーん、と思ったものの、大分前からやってる「患者を生きる」ってのが今回、私のツボに来るネタで、
「自然に産みたい」から妊娠「7ヶ月」で助産院に「辿り着いた」「35才」の「初産」の女性が登場。
はい、すみません「自然なお産」なんてくそくらえ、二人の子供は立派に陣痛促進剤にお世話になりました、
促進剤、「いーい薬です」と、パンシロン(だったか)ほどにはお勧めします。
(注;用方、用量は医師の指示にお従いください)
ま、とにかく現代の「科学」に汚されまくってる私としては、この手の「自然」なんて言い出す輩は、
トットとモンゴルの奥地でも、はたまたイラクアフガニスタンの恐らくは医療行政なんて
ハチャメチャになってるだろう国へさっさとお引っ越し願いたいのです。
妊娠初期に「手」にできた湿疹にステロイドぬったことが不安、なんて30過ぎた女が
正気で口にする言葉とは思えません。ていうか、本当に「自然」を追求する気なら30過ぎての「初産」は
おひかえになった方が「昔ながら」の「自然」に乗っ取っていることと思われます。
適当なとこだけ「自然」なんて自己陶酔して、これって「水からの伝言」の「科学実験」の思想とそっくり!
「反証のための科学実験を!」なんて言う馬鹿にはたらふく「いい水」でも飲ませてやってください、
こんな話しがあるかいっ!!ってなんでわからん。
とにかく「自然に産みたい」なら妊娠7ヶ月にもなって出産先を探すな!!
どうしても「自然」にこだわるならパールバックの「大地」をみならって、はじめから誰かに出産を頼るな!
もうこの手の馬鹿「自然」が私は嫌いで嫌いでたまらん、受け入れた助産士さんや産科医を責める気はないが、
できたら、この方には心療内科への早めの診療をお勧めした方が生まれた子供のためでもある。
こんなわけわからん「自然」、「水からの伝言」もこういう考え方の人がはまるんだろう、
あるあるの納豆ダイエットにしても、レタスの睡眠作用にしても、「アホくさっ!」
ついでにもっと言うと、なんで「あるある」ばっかり責められて、いまだに細木とか江原とかが
のうのうとTVに出てるんだ?私はあっちの方がよっぽど社会を「紊乱」してると思うよ、
占いはやるなとは言わんが、もっと陰でやってくれ、TVに出すな!(キィキィ)
もうだいぶん前に書いた「自然」を追求したお産の末路を目にしてしまったんで
(逆子で帝王切開をすすめられたのを拒否して転院、結局、お産途中でどうにもならなくなって
元の総合病院で緊急手術、子供は脳に酸素が充分行き渡らなかったために障害が残る(かも)の診断、
引っ越したんでその後は知らん)この手のアタマがどうにかしてるとしか思えない「自然」が大嫌い。
「科学」はそんなに悪いものか?或いは「水」がモーツアルト好きだのヘヴィメタ嫌いだのを
「証明」するために「だけ」存在するようなもんか?
ほんで「自然」は「こんなにナチュラルで素敵なわ、た、し!」を演出するものか。
助産行為を否定する気はまるきりないが、こんないいかげんな「自然」なんてもんを
「よいもの」みたいに思ってる人間をなんとかするべきだ。人を一人この世に送りだす行為について、
もっと真摯に、自分の「スタイル」だの「こだわり」だの、そんなものは何の意味もない、と周知徹底させるべきだ。
人間は機械のようには出来ていない、自動販売機にお金をいれたらジュースが確実に出て来るように、
すんなり子供がうまれるわけじゃない、だからこそ「科学」の力も借りる、それがそんなに「不自然」なことか。
こういう「自然」がまかり通るから産婦人科医は減っていく、アホな「なンちゃって」科学に騙される輩が大勢いる。
こんなおかしな人間取材するな!朝日新聞!!と久し振りに真剣に腹が立った。
結局、件の彼女は五日間無駄に苦しんだ後、帝王切開、それでも「満足」しているらしい。
なんて素敵でお手軽な「自然」、普通に産婦人科行って、超音波検査して胎盤と胎児のアタマの大きさはかって、
日時を決めて帝王切開してもらうことと、どの程度違いがあるのか?ああ、大きなちがいがあったね、
「自己満足」、そうね、これほど素晴らしいものはないわ、へっ。
大昔に30過ぎた初産は帝王切開の率が高まると聞いて、なるほど、この人はその点でだけは、
「昔」の自然の法則に乗っ取ってるな、と思った。
下らないこだわりをもつ特殊なお産の例をあげて朝日は何をしたいと言うのだろうか。全く理解に苦しむ。