酒井順子の「少子」を読んだ。

最近気になる女性表現者中村うさぎ西原理恵子など皆中高一貫の女子高出身者ではと思い、
比較対象として酒井順子をまともに読んでみた。幼き頃、田舎のオリーブ少女だった私はかなり昔からこの人を
読んでるんだが本を借りてみたのは初めて。超ブレイクした(?)「負け犬の遠吠え」も立ち読みですましたし、
何書いてても「フーン」で格別な印象がない。これだけ可もなく不可もなくの文章をかけるのは希有の才能かも。
とは言うものの、そういうのを一冊読むのはきついので、なんでこの人が「少子」?と思ったんで借りてきた。
で、感想はやはり「フーン」。「産まないあんたはえらいッ!」と言うか「産まないあなた自身の選択は正しい」
て思う、だってこうもじゅんじゅんと理由が説ける人に産むなんて行為を求める方が間違いってもんですがな、
そもそも産みたい人が子供は産めばいいんであって、また産みたいのに産めない人を「少子」は問題にするべきで
はじめっから産みたくない人をつかまえて産め産め言う方がおかしい。
大体セックスも結婚も子作りも個人の趣味の範囲内であってやりたい方は御自由にどうぞと言うのが基本、
そしてこの手のモノは「テニス」に似ていると私はかねがね思う。テニスは好きな人には面白いし、
プレーする相手によってとても長く続けられて楽しかったり、ちっとも続かなくって気まずい思いをする事もある。
たいていは「同好の士」がやるもんであって無理矢理やりたくない人を引きずり込むものではない。
人によっては炎天下でなんであんなしんどいもんをやらにゃあいかんのじゃ、と考えるのも
全くごもっともな事であって、そんな人を「絶対楽しいから」なんてやらせるのは「いじめ」以外
何者でもない(と私は思う)。テニスにだって向き不向きがある。またテニスをやってる人の中にもテニス自体が
本当に好きかどうか怪しい奴もいる。「テニスをやってるかっこいいオレ様」が好きな人もいれば
「テニスウエアーを着ている素敵な私、、」が好きな人もいる。
そういう方が必ずしもテニスが向いているかどうか、まあやってるうちにだんだん好きになってきたりするんだし、
それはいいかな。
でも問題は「ああッ!テニスって楽しい」「テニスやってる私達って本当に幸せッ!!」
「この世にこんな幸せな事はないわっ、これが出来ない人なんて信じられないッ!」なんて大声で叫びながら
プレーするやつがいる事で、これは「テニスなんか大っ嫌い!なんでこんな事する人がいるのかわからないッ!!」
ってなんでかコートの金網にへばりついて叫んでくる人がいる以上に物悲しい。
「黙ってやってくれ!」ってプレー中断して叫びたくなるじゃないか、なんでそんなに当たり前にやってる事を
これ見よがしに大声で他人に聞かせる必要があるんだ、結婚も子育てもそれこそセックスも人に見てもらわないと
気がすまないのか、まあ、それも人の勝手と言えば勝手なんだが、テニスやってる連中がみんな
こんなだと思われるのはホンマ情けない。大体炎天下でやるテニスでそんな叫びまくってたら
肝心のプレーがおろそかになるよ、それはわかってるのか。また相手がそれを聞いてどう思うか、
相手もそういう「雄叫び系」のテニスをやる奴なら問題ないんだろうがそれはそれではた迷惑だよなあ、
うるさいし。ま、その手の奴は早くにへたばるよ、叫ぶだけでも体力は消耗するもんだから、
「え、あんなに仲良さそうだった御夫婦(カップル、親子)がどうして?」なんて事になるんだよ、人生は。
あら本の内容から随分離れてしまった、酒井順子の「少子」とはその気のない人がテニスコート脇で
「アー、つまんねーつまんねー」って叫んでるようで、気持ちはわかるけど、好きにやってる連中を
そんなに責めないでやってちゃぶ台、と私は思ったのであった。
「出産ってけもの的」「育児って無駄っぽい」って、いやもう、いちいち「お説、ごもっとも」で腹も立たんわ。
それにしても人間はかけら程も馬鹿な事が出来ないくらい賢くなってしまったのだなあ、、、
ところで「出産はイタイからいや」の酒井順子さんの初体験は全然痛くなかったんだろうか、と思う私であった。
やあねえ、本当「経産婦」って。