私は公立教育を諦めない。

「塾教師のつぶやき」というブログをいつも楽しみに拝見させて頂いているがこの方も公立教育を
見放されていてがっかりする。
でもこの方の場合、事情を知っていて判断されているようなのでむべなるかなと腹は立たない。
正直、公立校の先生方は大変だ、現場の状態には保護者である私も呆れるばかりで、
音楽専門の先生が数学を教える、技術専門の先生が英語を教える。(これうちの娘の中学の話!)
そりゃあ、教えられないことはないでしょうよ、結局、お上に「公立学校に来ている生徒なんかこんな程度で十分だ」
の侮蔑があるからこんなおかしなことがまかり通り、「公立はもうダメ、私立じゃないと」の考えも
「トレンド」(フン、古臭い言葉だがこの程度で充分!)のように受け入れられていく。
疲れ果てた学校の先生自体も自分の勤め先を見放していて自分の子供達を私立、或いは大学付属校に入れたがる。
娘の6年の時の担任は娘が中学に上がった後、下の娘の部活の補助をされていたので話をしたが
「なんで私立に行かせなかったか」と何度も聞かれた。
「おたくのお嬢さん、ここ数年のこの地区で一番成績のいい子でしたよ」ってそんな事初めて聞いたよ!!
個人面談ではなんにも言わんかった癖に。うちは塾に行かせてないので自分の子供のレベルなんかわからない、
学校が言ってくれないと、ってそういうこと言えない雰囲気があるんだろう、何からもれてそんなことで
自分の首がしまるかわからないから、その点については同情する。その先生はかなり無理して近くにある私立と
幸い受かった付属校に子供達を通わせていてその自慢話しを聞き流しながらグチも聞いたが下の子もやはり
同じ地区の中学にすすませる予定だと聞いて不思議がっていた。「もう、高校もダメになってきてますよ」
ってそんなふうに見放していいのか?お前ら、誰から金貰ってンだ?と言いたくなるが
このテの事を言いたがる連中から貰ってないのは確かなこと、(私も税金は払ってないし、だから言わないけど)、
お前らまともに働いてないだろう、の人間に限って学校にやってきてはあれこれ文句を付けたがる。
やれ、子供が単語テストを嫌がってる、成績順に子供を分けるのは「差別」だ、とまともな保護者達は
値段の高い塾に行かせるために子供が学校に通ってる時間はパートに出てるから、
学校にやってくる保護者ってのは相当阿呆が多い。オープンスクールなどに行くと近所のヒマな連中が
鵜の目鷹の目で何か学校のアラを見つけてやれとうろついているので、うっかり捕まってあいづちを
求められないように誰とも目をあわさずかつ、さり気なくにこやかにスルスル歩く、まるで皇族ばりの技術を
私は最近身に付けた。
学校は、上から下から突つかれて、誰のための教育か、が置き去りになってる。今度「教育基本法」に
愛国心」なんてもんが明記されれば「お国」のための「教育機関」になるんだろう、
誠にみもふたもない「劣等国家」に仲間入りってとこ、まあそれはともかく、私が日本の公立校を諦めないのは
ダーリンが納税者であるということと、学校の主人公である子供達が昔と比べて格段に悪くなっているとは
全く思えないからだ。教育の主人公は子供達だ、今を生きる、これからを作る子供達だ、
そして子供を取り巻く環境が悪かったのは今に始まったことじゃない、恵まれた私立に子供を
一時期逃がすことだって悪い考えじゃないだろう(本当にいい学校ってのが存在すればね)、
でもその子達が学校を巣立って出ていく社会は「理想国家」では決してない。今までもそうだった、
これからもそうだ。勉強なんていつでもどこでもできることだ、それよりは動物園のような学校で
様々な人間を子供時代から見る方がよほどこれから役に立つ。
教育基本法に「愛国心」明記はもちろん反対だ、何故ならそれまで「権利」という言葉を「左手」に持って
教育現場を無茶苦茶にしてきた「同じ」人間が今度は「愛国心」というより鋭い「凶器」を「右手」に
持ちかえるに過ぎないからだ。でも子供達は「有識者」及びネットの右派左派が思うほど
昔から変わってないしこれからも変わりはしないだろう。「愛国心」なんていってみたところで
現場の主人公達はそれほど変わるわけではない。
もっと公立の子供達を、普通の子供達を見てほしい。それから普通の「親」達も。
私には公立校を諦める理由がない。そしてこういう人間はそんなに少なくないということを書いておこうと思う。
ネット界には少ないかもしれないけどね。
私は日本の公立教育を諦めない。