宿舎の話。

そういえば私が結婚して初めて住んだのは自分の年齢より遥かに年上のお年寄り宿舎だったなあ、、
「なめくじハウス」と名付けたその家は築40年くらい、しょっちゅうなめくじが天井から降ってくるので
油断してはイケナイ、まず部屋から部屋にうつる時、天井のどこかをつたうおなめくじ様が
お落ちにならないようにソローリとふすまをあけなければイケナイ、うっかりどすどす廊下を歩くと
部屋に入る前にポタリとうなじになめくじが落ちてきて「キャー」、とダーリンの可憐な悲鳴が、、
また、踏んではイケナイ床があって、妊娠中期うっかり夜中に忘れて床を踏み抜いて
大変だった事を思い出す。私達が出てすぐそこは取り壊されてしまったんだけど。
国立関係の宿舎はとにかく古いのが多くて中には戦前からある宿舎もあった。
よくわからない変な部屋があってこれはなんだと聞くとなんと「女中部屋!」
昔は女中さん連れて転勤してたのかなあ、、とにかく古くて、「出る!」との噂のとこもあり、
あんまり怖がる人が多いのである時おハライをした。
私も見に行ったが国立某所の宿舎でおハライとはねえ、、その費用は一体どこから出たか不思議だ。
へき地の宿舎はとにかく古くてその中でも1位2位を争うのが警察宿舎か自衛隊宿舎、
40〜50年はざらだと聞いた。公立の宿舎には妙なの結構あってなんでかしきる管理人の親父が
いるところに友達がいて遊びにいってもなかなか入れてくれない。もう身分証明書だせ、本籍地言え、
といわんばかりのおっさんに捕まって四苦八苦した事もある。次からは抜かりなくおっさん用に
手みやげ持参、とたん待遇が変わった。駐車場まで誘導してもらえるようになったし、
やれやれ、、田舎の人に手みやげは絶対忘れてはイケナイ。
放浪するうち仲良くなった転勤族仲間がたくさんいて、貧乏宿舎自慢、田舎自慢には果てがない。
人間の人口より「さる」の頭数の方が多いところで空けてはイケナイ窓があってある日雨戸をあけると
「さる」に襲撃されたとか、しょっちゅう「さる」がごみを漁る、干し柿を全て「さる」にとられた、
とか、「猪」が庭を突き抜けていったとか、「私に銃を!」と叫ぶ友達はその後、東京に転勤して
今度は向いにウルフルズのメンバーが住んでて生きててよかった、と思ったそうだ。
大変気さくで町内の掃除にも来るいい人だったと言う。
でもさるが何気にとなりに住むなんて「クラブメッド」並みだよね。
私は鳥に巣を雨戸の中に作られたり、スズメ蜂が室外機にでっかい巣を作ったり、次々あったので
「きっとお金持ちに成れるよ」と慰められた。とほほ、自然って敵よね、と今でも心から思う。
私は自分の家立てて初めて新築に住んだ。有り難い事です、、
今は敵がアリとネット右翼なので小せえもんさ。
国家公務員の宿舎問題が今よくTVでいわれてるが私の知ってるへき地ではもう誰も住まないほど
古いとこが多かったなあ、最近は年が若ければ若いほど結婚しても単身赴任だったりする。
宿舎の話が一人歩きをして、入るのが嫌だとか田舎では暮らせないとか、ちょっと残念だ。
私は色々あったけどいい経験した、楽しかったと思うんだけどなあ、、
「さよーならー、またあう日までー」と全国散らばる友達がたくさんできて本当よかった。
もううちは動く仕事はしないのでほっとはしてるけど。
へき地の宿舎の近くには必ずといっていいほど近くに低所得者向け住宅があった。
あれは今でも物凄く不思議だ。