最近の読書

鶴見俊輔上野千鶴子小熊英二、対談集「戦争が遺したもの」を読み終える。
新曜社、2004年発行、サブタイトルが「鶴見俊輔に戦後世代が聞く」。
これは面白かった。近、現代史にうといのでざっと戦後の思想の流れを簡単に紹介されているところが
有り難い。今に至る問題の根本がわかりやすくその当時を知る人によって語られるので共感も得やすい。
読むべき「名著」の一つではないかと思う。
「ザ、フェミニズム!」(上野千鶴子小倉千加子対談集)、小倉千加子「結婚の条件」と続いて
上野千鶴子著「ナショナリズムジェンダー」。
これは上野千鶴子さんが下らない揚げ足取りにあう事ないよう言葉を選び抜いて、今の時代に、
自分自身に、真っ当な怒りをふつふつとたぎらせながら書いたようなので読むのに物凄く時間がかかる。
このすきのない理論、理性、ついていきます、どこまでも、って感じ。
といって、小倉千加子さんによると専業主婦は「フェミニスト」にはなれないそうなんだけど。
でも「ザ、フェミニズム」では「それぞれのフェミニズムがあっていい」と上野さんは言ってたので
(たしか)、専業主婦なりの「フェミニズム」ってのを考えてみようか。
ところでダーリンが中村うさぎ著「さびしいまる。くるしいまる。」の文庫版を買ってきて、
後書きだけ読むのをすすめられ「ガッちょーン」!!
岩井志麻子先生よりも桐野夏生先生よりも恐ろしい本でした。
たしか小倉千加子さんは林真理子松田聖子中村うさぎ西原理恵子が「ジェンダー」とか
フェミニズム」とかに与えた影響は大きかったとふと、林真理子の強烈版、と言うか超進化系ってのが
中村うさぎ先生なのかなあ、と思った。小倉千加子さんは「愛は幻想」というけれど、
私は「幻想」でも「愛」はある方がいいと思う。「ある」と思える方がましじゃないかな?
「戦争が遺したもの」で鶴見俊輔さんが上野さんに「慰安所の女に愛があったと思うか?」と問われ
「愛というものを、特別純粋培養されるものと思っていない、どういう状況でも仕方でも
愛は生まれると思う。」と答えたのが印象的だった。
「小学校しか卒業してない人とは結婚できないと思った」と自分のこえられなかった壁を
正直に認める人の言葉は信用に値する。
(「だから慰安所は悪くなかった」なんて言う輩の愚劣さは絶対認めないが。)
必要とされるところに「愛」はあると思う。
そう思わねば生きていけない「専業主婦」だといわれればその通りとは思うが。
鶴見俊輔さん、岡部伊都子さん、対談集「まごころ」(哲学者と随筆家の対話)も読んだ。
ささくれだった心が癒される。日野原みたいな戦犯のたわごとに耳をかすくらいならこちらを読む事を
お勧めする。お二人とも日野原より長生きされますように。(私の心はどこまでも黒い、、、)