Love Love ❸❼野口武彦先生❼❸

時折ケケケとかいう黒い笑い声を上げながら読める大好きな野口先生の御本。
「幕末の毒舌家」読み終える。愛を注いでるわりに常に図書館で借りてきてるんで先生の懐には
あまり貢献になってないのでせめて誉めておこうか。「蜀山残雨」も共に借りてきてチャンポンで読んでるので面白さ倍増。
私はどうしてこうもしち面倒臭そうな愚痴っぽいおッさんが好きかねえ、我ながら呆れてしまう。
先に「蜀山残雨」を先に借りてたので冒頭のタンカきりには結構びっくり。
先生、公共の紙面を借りて喧嘩うっちゃアいけませんぜ、どなたです?宮崎修多って、中野三敏って。
シロトの私にはちっともわかんない名前ですがね。多分その筋の世界ではさぞや有名なお方なんでしょうが
先生の方がよほど世間には貢献してると思いますぜ、だって私のような無知蒙昧なやつにも歴史をちゃんと教えてくれますもん。
もういっちゃってる連中の文章を泣く泣く読んだあと先生の少なくとも良識のある人間の説得力のある、
又華麗な文章を読むと心癒される思いでございます。
しかし「幕末の毒舌家」、さすが頭のご不自由な(つまりは大変頭の弱いお方々の事ですな)方向けに
新人物往来社」の雑誌「歴史読本」で連載されてただけあって読みやすいのなんのって。
まず読み下し文、それから先生のソフトな解説文、意訳時に多少ぼかしていらっしゃるとこなんて先生も相当の「ワル」とみた。
新選組の遠景」でちらりと上方言葉をお嫌いなように書かれてましたがそれは蜀山人と同様、御自分の中にある毒を
上方人間が極当たり前のようにしてもってる事に対する同族嫌悪めいたもんじゃあないですかね、
生憎と先生の「蜀山残雨」、まだ読み終えてないんではっきり言えませんが、蜀山人も京都の事
ボロカス書いたいろは歌ありますわな、どうも蜀山人、同類はお嫌いなようで、そう思うと先生も蜀山人
大谷木醇堂を共に同病相哀れむ、という節で書かれているんじゃあないかしら。
偏屈、意固地、順応性あまりなし、醇堂なんて本当そういう可愛い人だもん、
側にいられるとおおいに困ったチャンだけどあいつ、あんな事した、言った、と他人と盛り上がる分には実に重宝。
嫌ってんじゃないのよ、好きなんだよ、多分。私なら、そうだね、醇堂先生には「花を買いきて妻と親しむ」
(「に」だったっけ?ダメだね、付け焼き刃は)の雰囲気がある。
漠然と不満と不安をもってして、ときに哀しくなってしまう。可憐な人だ。私のダーリンがそういう人だ。
私自身も、多分。先生が醇堂先生を愛するように、私もちょっと好きになりました。
前後して悪いけど明日にでも「江戸のヨブ」借りてきます。