タイガーマザー雑感。

「タイガーマザー」のチュア氏の「中国式教育法!」は賛否両論あって

反発派は「子供の自主性が育たない!」であったが

西洋式の「自主性」は過度な放任につながることのほうが多いので

それよりは多少枷をかけた子供時代を過ごさせるほうが

その後の成長にはよいの考えは全世界的に共通のような気がする。

「子供の自主性をぉ~!」とは一種のお題目で親が子供に何もしない言い訳であると

チュア氏は何度もにおわせるのでこれに心当たりのある親はガリっと来るだろう。

私は妙に「放任こそが至高!」との考えはほんの数十年前までは

欧米の体罰など日本のそれとは比べ物にならないほど壮絶であった反動ではないか、

なんせ、生徒を叩く「鞭」なるものが私の感覚では「こん棒」であったから、

それももっとも「小さい」サイズであったことを思うと、

欧米教育の暴力性は半端ない。日本は寺子屋時代からそこまでひどくはなかったよう。

極端から極端に走りがちなのは西洋の傾向である、と私は思うものの、

チュア氏はその極端性を利用して炎上商売大成功なのだから

中国・ユダヤカップル、世界最強!と、私が思うのはあながち間違いでもない。

お嬢様たちにかかる教育費は「タイガーマザー」の印税でまかなえたのではないか、

商売上手ですごい!と感心こそすれ、特に叩く要素はこの本にはないかな。

「お泊り会禁止!」「お友達と遊ぶの禁止!」など、一見きつそうに見えるものの、

アメリカのドラッグ問題は低年齢時期のこの手のお泊り会から始まると聞いた記憶が。

欧米人に比べれば体力的に劣っているアジア人は極力ドラッグから逃れるほうが

その後のためにはよかろうし、あながちチュア氏の教育方針が間違っているとも

私には思えなかったのだよな、どこの国にどの人種として存在するかを理解するのは

子供には難しいという気がする。

私は子供の中学時代にネット利用は夜禁止、携帯は夜没収で

それに下の娘は当時文句を言ったもんだったが、今頃になって

「余計なトラブルに巻き込まれずに済んでよかった、感謝してる」と言ったりして、

はてなで親と名乗った人間を常に叩かずにはいられない連中に

「夜は子供はネット禁止」と書いて散々叩かれたもんだったが現実はそんなもんよ、

叩いてきた連中はどうしているのやら。

当時、その手の「子供の自主性がぁ~!」と言わんばかりの連中が

私に投げかけてきた言葉が「子供がいずれ化け物になる!」の呪いであったが

それは彼らの希望的観測で、

そうならない確信が私にはあったがネットにはないだろうから私は記録を続けている。

普通に育って立派な社会人やってるよ、と、

チュア氏の二人の娘さんもハーバードの学生になって特に問題行動もなく

無事普通にすくすく育って親とも仲が良さそうなので(ハーバードの機関誌による)

親子関係にある微妙な機微はどれほど言葉を尽くしてもわからないし、

子供は化け物にもならない。

他人の子供の予測を化け物とする連中の化け物ぶりには今でも衝撃だ。

どこの国であれ、ある程度まじめにきちんと勉強に立ち向かわせるのは親の役目、

やり方は親子で試行錯誤しろ、が教育本の伝えることかも。

欧米でのアジア人の立ち位置は微妙だよな、と私は思うが

昨今の妙に「欧米の学校に行く!」流行は何をもたらすのか、

現地で就職先を見つけてやっていけるのなら本当に優秀だろうが、

日本に戻ってきてぶらぶらするのであれば海外大は何の役にも立たない気がするな。

割とそういう人間は多いようで、家庭が裕福でなければやってはいけないことだと

ひそかに私は考えている。

自営業者であれば家を手伝えば良いが、家業がない場合、日本に帰るのもきつかろう。

変なものが妙にはやるのはいつの時代でも。おわり。