衣の重み。

昨年亡くなった義父の衣類を処分し始めて半年以上たつがまだ終わらない。

100近くまで生きた人なので1年一着にしても100着になるし、

そもそもそんな程度で治まる人ではなく服を「買う」のが趣味と言う

私と同じ傾向を持つ、しかし私よりはるかにお洒落な人だったので

まーーーーーーーあ、たーくさん、ある。また置くところも多いのでな、、(涙)

昔のおあつらえの服の重さにはまことに驚かされる。

質の良い生地のスーツなので、マイダーリンに「着れば?」と言ったが断わられた。

さもありなん、昔のものは良い生地になればなるほど、重い。

織りの見事なツィードのジャケットなど、見ると素晴らしいが、めちゃくちゃ重い。

晩年の義父も一番よく着た痕跡があるのはユニクロのウルトラライトダウンで

もう、おばはんもこの先ユニクロだけで生きればよいってことですかね、、、

半世紀たった今もどこかしら気品のあるたたずまいのスーツ類だが、

着る人がいないので残念ながら処分。マイダーリンは一生ユニクロでよいそう。

義父は自営業で早々と引退もしたのでさほどスーツを着る機会もなく、

マイダーリンもあつらえてもらったスーツをほとんど手を通したことはないようで、

なんとまあ、もったいないことよ。と思うが、確かこのテイラーは生前義父が

商業学校時代の同級生の家業で、義理もあってあつらえていたような気がする。

良い生地が入ったものの、誰も作ってくれない、のような、

「助け合い」の意味での服だった気もする。このテイラーはもうない。

義理が服の重みか、なんて、50肩で重いものが持てないおばはんは思ったり。

作った、あるいは買った瞬間から衣服はその役目を半分終えているのではないか、

高い値段とはそういうもののような気もする。

スーツ類のあとは「着物」が控えているようで、さて困った。

気に入ったそこそこの値段の服を着つくすことが一番「エコ」かも、

と、相変わらず肩が痛いおばはんは思うのでした。昔の洋服生地は重い。おわり。