葬式雑記。

この度の親せきのご葬儀も完全家族葬でいつどこでどのようにするのかも秘密。

ひょっとしたら「直葬」というものになっているのかも。大都会では増えているよう。

舅の葬儀に娘たちの会社が「花輪」を出そうかと申し出てくれて

さすが「ジャパニーズトラディショナルカンパニー!」と感心したが

上の娘の直属の上司の母親が亡くなった時、直葬にするので花輪は辞退したとのことで

上司が断っているのに自分の祖父にお願いするのはと自粛。

下の娘も面倒くさいので辞退、

ただ、下の娘が入社してすぐの時に同期の祖父が亡くなりその葬儀に花輪を送られ

親戚一同が喜んだそうで、たしかに会社の名前の入った花輪があるのは晴れがましい。

普通の葬儀ならば「あら、お孫さん〇〇にお勤めなのね」と見る人もいるだろう。

おばはんは山ほど葬式に出席した経験があるのに今回のことがあるまで

花輪の会社名なんか気にしたことがなかった。社会人としてあかん。

娘二人の会社がそういう申し出をしてくれるのはありがたい。

もともと積み立てをしているのでお返しもなしで済むようだ。

昨年亡くなった実父も舅も生涯有名な大企業に属する経験がなかったので

もし二人のかわいい孫娘たちの華々しい会社名の花輪が飾られたら

大いに満足したことだろうとちらと思ったが、まあ、死んでいるしな。

直葬に話を戻して、上の娘に聞いた話では病院から直接焼き場に行って

お骨になった状態で葬儀をする場合もあるようで、

コロナのためか、焼き場が混むのか、理由は今ひとつわからないものの、

都内で人を呼ぶ葬式はまれであるらしい。

しかし呼ばれる場合は大々的で会社がらみで参列もあるらしい。

娘はそのために喪服を新調して最初の着用が自身の祖父の葬儀であった。

娘いわく会社ではたまに

「〇〇社の元会長が亡くなられました、〇〇部〇〇さんのお祖父さまです」

なアナウンスが流れるそうで、どこの誰が誰の親せきかわかると困惑していた。

「なるほど」と思う場合と「やっぱり」と思う場合ありと、理由は自粛。

下の娘はまだ喪服を用意していなかったので、私の若かりし頃の喪服がぴったりで

娘二人はおばあちゃんから最近譲られたばかりの真珠のネックレスをつけて

父親の仕事関係の花輪が華やかに飾られた祖父の葬儀に出席したのでした。

その姿は美しく立派で、なくなった舅も大いに満足しただろうと

あまり出来の良い嫁ではなかったアテクシは出来の良い娘たちに感謝したのでした。

親戚の今回の葬儀は弔電、花輪一切お断りで、

華やかなことが好きなややミーハーだった方のお葬式としてはちょっと寂しいような、

でも実子が決めたことであればそれが一番だと納得しているおばはんであった。

おわり。