古い映画を見返す。

ジョニー・デップが「ファンタビ」降板だそうで、涙。

良い俳優さんなのに、私生活がどうにもな。

こういう仕事しかできない人から仕事を取り上げるのは

一種のパワハラに見えるんだが、どんなもんなんでしょうな。

最近、人生の棚卸のようなものを始めて、しかしさぼり屋の私は

昔読んだ本や映画を見直すばかりでよろしくない。

先日、U-nextで大学時代、一部女子に圧倒的支持を得た

「アナザーカントリー」を見つけて、どんな話だったかとみなおしてみた。

最近の言葉で言えば「腐女子」の先輩に勧められ見に行った映画だったが感想は

「男の恋人に捨てられてなぜかソ連のスパイになったイギリスのボンボン」で

隠しようもなく育ちの悪い私にはさっぱり理解不能であった。

本来、国の中枢の人物になるべき育てられた名門校生が

その学校の伝統であるカラフルベストを着用できなくなってスパイになるって、

「はぁあぁあぁあぁ?」ってな感想でしかなく、

しかもなぜめそめそよく泣くのか、まことに不可思議で、

先輩に「どうだった?よかったでしょ、私はもう3回見に行った」と言われ

一見、腐女子に見えがちなのにさっぱりその方面の才能がない私は苦悶した。

現在見直して思うのは、この映画を完全に理解できた日本人女子は

かなり数が限られただろうということで、この英国のクラシックな階級制度、

ソ連はまだ帝国ロシアの匂いを持ち、さらに共産主義に夢を持ちがちな時代で、

かつ、戦後間もない英国は戦時中ソ連との協力関係の記憶が薄らいでなかった、

ゆえにソ連側に走るインテリ層がいたとしてもさほど不自然ではない。

この状況を完全に把握したうえでやはりロマンチックな

ある種の恋愛ストーリーであると、理解できた日本人女子はいたのか、

なぜこのような解釈の難しい映画を配給させたのか、

英国本国でよほど流行っていたのか、

それとも英国人美形男優たちをはやらせたかったのか、

まんまと私世代でこれで英国名産美男子俳優を圧倒的に支持するようになったんで

マーケティングは大成功なんだろう。

ある種の日本女子は萩尾望都先生の「トーマの心臓

竹宮恵子先生の「風と木の歌」などで「美少年の塊」「名門男子校」に

どっぷりはまる素地があったので、「ザ・リアル美形学校モノ」として

楽しくみたように思う。当時の私は「金返せ」だったが。

というわけで明日からこの映画の現在の感想をメモ。おわり。