もうずいぶん以前、人間の老いと付き合うことを書いた本に
「眠るのにも体力が必要」とあって、最近よく思い出す。
その本によると、年をとって眠れなくなるのは体力が失われるせいで
眠るための体力を残しておく、とのことだった。
確かにあまりに疲れすぎると眠れなくなることがあり
眠れないまま、悶々とするとき、この悶々は次に眠れるために
体力を溜めているのだ、と考えるようにしている。
芸能人の自死が続いて、とりわけ若い二人に共通していたのが深酒で
彼らは限界まで仕事をして眠るための体力が奪われていたのでは、
故に眠れるまで深酒をするようになったんじゃないか、
マイケル・ジャクソンが眠れないので強烈な麻酔を使って眠ろうとして
亡くなった事件は世界的な衝撃だった。
あれは結局、マイケルと言えども、加齢には勝てなかった、
眠るための体力まで使い切って眠れない、それで薬で無理やり眠ろうとした、
深酒も似た部分があるように思っている。
そのうちどんなに飲んでも眠れなくなり、うつ状態になる。
私はまだ若いのに、まるで年寄りのように眠れなくなるまで仕事をしてしまった
春馬君が悲しくてならない。
眠れない、は本当に辛いので、死にたくなったんじゃないか、
若い人の自死は本当に事故みたいなものだと思う。
ちょっとしたことで助けられたんじゃないか、
ちょっとした偶然で死に至ってしまったんじゃないか。
誰かがそばにいたら、、と思うけれど、年齢的に家族に頼るのも難しい、
と言って自分で作った家族がまだいるわけでもない。
今のほとんどの若者は本当に心優しくて遠慮がちに生きているので
せめて眠るくらいの体力を残す程度に仕事して欲しいと
単に体力不足でたびたび眠れない日を過ごすおばはんは思うのでした。おわり。