一人で歩く。

女が年をとって一番うれしいことは一人でふらふら出歩いていても

さほど危険な目に(まだ今は)合わないことだったりする。

先ほどホットエントリで「ヒロシです」が出て

この人の「ひとり活動」が心からうらやましいのは、

もし「ヒロシ」が「ヒロコ」だったら、決して「一人キャンプ」なんて

危なくて出来ない、特に若いころは、と思うからなのだよな、

若い女の子が一人で山に入ってごらんよ、

悲惨な目に遭ってもすぐ「自衛心がたりない!」と言われる。

実際は、女の子一人を狙って犯罪行為をするほうが悪いのに。

その点で言うと、わざわざ女の子の多いだろう、

もし異性がいても「彼女に付き合って」とか、純粋に「好き!」とかで

来ている善人だと思っていたらとんでもないのが混じってました!の

かのエントリは本当に悲劇以外なにものでもない。

私は幼い頃から一人でぶらぶら遊ぶのが好きだった。

一番すきなのは、ご近所のお兄ちゃんが「この陣地を守ってるんだぞ」と

私を一人にしてくれる、大体、大きな石積みの穴の中だったりして、

今思えば物理的に大変危ない場所だったが、

そこで土にお絵かきをしたり一人で砂利を集めて遊んだ。

外での一人遊びは、その程度しか出来なかったのは、

小さな女の子が一人でぶらぶらしていると必ずと言っていいほど

ろくでもない得体の知れない「大人の男」が現れるからで、

私の記憶にある限り、危ない目にあったことが何度かある。

まだ昭和の人が多い町内だったので、事なきを得たものではあったが。

小さな女の子から若い女になっても、やはり一人でぶらぶらしていると

高確率でろくでもないのがよってくる。

何故、世間は若い女を一人にしてくれないのか、

一人でいるのは、一人でいたいからだとはわからないものか、

思えば私がもっともなりたい職業は「フーテンの寅さん」であった。

あんなふうに一人でぶらぶらあちこちを出歩いてみたい、

結局それが出来るようになったのはごく最近、

でも年齢のせいで体力に限度があるわ、、(涙)

女である、若い、と言うだけで、一人を愉しむことが今でも許されない、

どころか、女の子だけの園にまでずかずか踏み込んだ挙句、

なんで「はぐ」?と心から思うわ、

なんである種の変態は女の子で一人でいることは

「俺を愉しませるために違いない!」と思い込むのか。

若い男が一人でいても、

「この男性は私を愉しませるために一人でいる!」と思う女は、まずいない。

何故、女の子が一人でいてはいけないのか、

社会は若い女の子が一人でぶらぶらしていても危ない目に遭わない程度にならないと、

女性の社会進出なんてなかなか出来ないものだと心から思う。

ま、今の私のような元気な中婆さんになると、

引ったくりが簡単に成功するほど体力がないわけではないし、

かといって、さわってうれしくなるわけではない、

いや、年をとって、本当によかった。

こうやって、おばはんは元気に徘徊老人と化すのであるな。

強盗に会う怖れがあるほど年をとるまでのささやかな楽しみであるわ、

一人で歩くとは。おわり。