バックナンバーの「ハッピーエンド」のPVを見るたび、下の子を思い出して
もうすぐ私の一番好きな瞬間が迫る、帰省してきた娘たちを迎えに行く、
駅や空港で私を見つけた瞬間、輝くような笑顔でやってくる。
私はそれよりも前に娘の顔を見つけて、なんて綺麗な娘なんだろう、
美しい顔をしているんだろう、と幸せになる。
下の娘はふわふわと漂うように歩いて周囲全体を明るく照らして
人生の楽しみそのものが私であるといわんばかり、
上の娘はたいそう真面目なので容易に人を寄せ付けないオーラを出しているけれど、
破顔一笑、ふわりと優しい気質を漂わせる。
いつだったか、上の子と新宿の高島屋で待ち合わせしたとき、
間違って東急ハンズ側のエスカレーターに乗りそうになっていたので
私が声をかけると、あっと気がついて照れ笑いをして、
そのとき後ろにいた娘の同世代の男の子が「可愛い!」て顔で
娘を見たので、どうだ、可愛いだろう、と得意になった。
無事、逆側のエスカレーターから降りてきたとき、
ニコニコ笑っていたので、そのへんにいた男性が一斉に娘を見ていた。
それくらい笑っていると可愛いんだが、あんまり笑わないのだよな、上の娘は。
もったいない気がするが、おかしな男につきまとわれるよりはましか。
今年はまだ二人とも帰って来てくれるし、
まだ何回かはこの純粋に楽しいだけの瞬間を味わえるんだろうけれど、
それもいつか、終わる、というか、状況が変わるだろうことを
不意に思い至って、胸が痛んだ。これもまた、幸福なことだと記録しておく。